例えば、論理的で自分自身が納得できることを重んじるオランウータンタイプの社員には「あそこのまとめ方が素晴らしかったよ」と論理的に褒めるのがよく、調和を大事にするゴリラタイプの社員には「あなたがチームを支えてくれたから、プロジェクトがうまくいったよ」といった褒め方が理想的といった具合です。

 また、新入社員の受け入れ時も、現場のスタッフが「次に来る人はボノボタイプだから、こんなふうに接した方がいいな」と、自然と対応を考える指針にもなります。実際にセミナーを受けていただいた会社でも、新人の受け入れがスムーズに行えるようになり、新入社員の離職が3分の1に減ったという事例もありました。

 さらに、人員配置や採用面でも大いに活用できます。会社や組織は4タイプそれぞれの人が偏りなく配置されている方がより力強く機能しますが、私たちは基本的に自分と同じタイプの人を好む傾向があり、「多様な人財がいた方がいい」と頭では分かっていても、ついつい偏った人員配置や採用を行ってしまうことがあります。類人猿性格分類を指標に用いることで、そのようなミスも防げるのです。

 高度経済成長期、何もかもが右肩上がりの時代は、「いいから俺の意見聞いておけ」というチンパンジータイプの経営者がその強いリーダーシップにより、スピード感を持って結果を出すことができました。

 しかし、これからは国内の人口が下がり続ける中で、どのようにチームとして一丸となって目標に向かっていくか、どのようにお客さまの思いや意見を柔軟にくみ取りながら革新的なフォーマットをつくり提供していけるかが、何よりも大切になってきます。

 強いチームづくりと、機能的なチーム運営を行っていくためにも、この類人猿性格分類は非常に役立つと、私たちはこれまでの経験から確信しています。

「商売十訓」に通ずる「4つの窓」という基本思想

広島県福山市にある(株)エブリイホーミイホールディングスグループの本部外観。この中に、(株)YPYエデュケーションも入っている。

 当社の社名「YPY」は、「Y」=「四」、「P」=「方」、「Y」=「良し」で、「四方良し」という願いを込めて名付けました。この四方には2つの意味があり、1つは類人猿性格分類の4タイプを指しています。自分と他人の違いを把握し、4タイプそれぞれが尊重し合って、全ての人がハッピーになることを目指しています。

 もう1つは、エブリイホーミイグループの基本思想である「4つの窓」です。4つの窓とは、「お客様に喜びや感動を与えよう」「頑張る社員がイキイキ働く環境を創ろう」「社会的に認められよう」「売り上げ・利益を上げよう」であり、その全てが良しとなることを目標としています。

「商売十訓」は、4つの窓ととても近いものがあると、強く共感しております。また、「店は客のためにあり 店員と共に栄え 店主と共に滅びる」も、本当にそのとおりであると感じています。

 類人猿性格分類は、店員の方がハッピーに働ける環境をつくるための有効なツールです。

 これを広めることで、多くの方がより良く働ける環境づくりに貢献でき、「店員と共に栄える」ための一助となり得るならば、これほど幸せなことはありません。

 今回のゼミでも、ぜひ参加される皆さまに類人猿性格分類について知っていただきたいと思います。

※本記事は『商業界』2018年12月号に掲載されたものです。内容は取材当時のものです。

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