(株)麻布 塗魂ペインターズ創立者(現相談役)・塗魂インターナショナル事務局長 池田大平
 いけだ たいへい●1964年岐阜県多治見市生まれ。高校を中退して、塗装業界に入る。2002年、(株)麻布(愛知県春日井市下市場4-17-3) 設立。09年、塗魂ペインターズ設立。16年、公益財団法人社会貢献支援財団より、社会貢献団体として表彰される。同年、シチズン・オブ・ザ・イヤー受賞。17年、一般社団法人塗魂インターナショナル設立。同年、リトアニア共和国の杉原千畝ハウスをボランティア塗装。同年、麻布100店舗構想開始。18年、国内100カ所ボランティア達成、海外ボランティア10回目達成目前。

★講座は2019年2/20(水)13:20 ~ 14:40の予定

 

一見、見返りないボランティアには、とんでもない見返りがあるんです

 私は、愛知県春日井市で塗装業を営んでおりまして、平たく言えばペンキ屋です。

 この業界のご多分に漏れず、私も若いころはやんちゃをしておりまして、学校は中学しか出ておりません。高校中退でございます。しかし近所の人気者でしたから、中退の翌日から近所の塗装会社の親方に呼ばれまして、そのまま弟子入りして以来、塗装職人一筋。7社を渡り歩いた後、2002年に38歳で独立して今日に至っております。

正直な商売をする人が評価される時代に入った

 今回知った、商業界の「商売十訓」、一項目に「損得より先に善悪を考えよう」とありますが、この言葉を私の経験に照らしますと、塗装業界も以前はこれと反対の業者が多かったんです。残念ながら。

 規定では3回塗るところを1回でキレイに塗れたら、「池田君、いいよ、終わって」と言う親方。「利益が薄い」という理由だけで頼ってきてくださるお客さまを断る業者。技術職だから一般の人には中身が分からないのをいいことに、うそ八百で儲ける業者がまかり通っていました。

 でも、もう通じませんよね。今は例えば大分県で悪さを働けば5分後にはスマホで写メを撮られて青森県のお客さまに知れる世の中です。時代が変わった。正直な商売をする人が評価される時代に入った。今はまだその第一コーナーを回ったあたりですが、これからこの傾向はどんどん強まります。“善き商売”に向けて努力した人が勝つ時代になるんです。

 実際に、うちの会社はそうすることだけで、特別な営業なんかかけなくても仕事をずっと頂いてきました。

 それはなぜかと言いますと、ラーメン店が最高にうまいラーメンを作るために手間を惜しまないのは当たり前、ペンキ屋が納得のいく塗り上がりにするために手間をかけるのも当たり前、それらはどんなに大変であっても「業務」です。

 ここを区別した上で「努力」と呼べるようなことを続けていれば、お客さまは必ずついてきます。私はそうやって業績を伸ばしてきました。私は塗装業ですが、皆さんのお店も同じではないでしょうか。

2017年9月、カウナス市(1944年のソ連併合前の同国首都、現在の首都はヴィリニュス)にある日本の外交官、杉原千畝の記念館の塗装ボランティアにおける「塗魂ペインターズ」の参加者の集合写真。後ろの建物が記念館で前列右に池田氏。
現地でのセレモニーの様子。

 ボロボロの「杉原千畝記念館」を新聞で知って「俺の出番じゃ!」とそんな塗装業に対する考え方の延長で、私は09年から「塗魂(とうこん)ペインターズ」という団体をつくりまして、塗装によるボランティア(社会奉仕)活動を続けています。

 無償の塗装奉仕を通じて社会に貢献する塗魂ペインターズは、私が前身の団体を引き継いで11社で第一期を立ち上げてから、若手世代に譲った現在は第二期に入っております。

 加盟業者は146社、延べ人数は500人。活動実績が80カ所を超えたあたりから国内での活動は彼らに任せまして、私を含めた第一期世代は「塗魂インターナショナル」という兄弟組織を立ち上げて、こちらは現在40社が加盟して、海外でボランティアを続けております。

 塗魂インターナショナルが活動を開始したのは15年、終戦70年の年で、私たちは「平和に貢献する」をテーマに掲げ、10月に広島と長崎に塗装ボランティアに行きました。さらにパールハーバーのあるハワイにも行きまして、地元の高校で塗装ボランティアをしました。