今年4月に佐賀大学内に初の実店舗としてAIストアを開設。新しい販路・提供方法の実験を行う。(撮影:「販売革新」)

 工具、部品、消耗品などの製造・建築用間接資材の通販サイトを運営するMonotaROの成長が著しい。2017年12月期の売上高883億円、営業利益118億円。2011年12月期(売上高222億円、営業利益20億円)からの7年間で売上高4倍増、営業利益で6倍増の伸びだ。2018年12月期も第3四半期時点の見込みでは通期売上高1094億円、営業利益141億円となっている。

 MonotaROは、住友商事と米国の間接資材大手のグレンジャー社との共同出資で2000年に設立され、当初より間接資材の通信販売事業を行ってきた。

 同社の顧客は製造・建築・自動車関連業者が71%、従業員50人以下の事業所が70%を占める(2017年12月期決算参考資料より)。間接資材とは交換・補修用品、消耗品など副次資材を指し、建築資材、部品とは異なり、工具、作業着、包装材から事務消耗品まで幅広く5兆円から15兆円ともいわれるほどの巨大市場。

 総務省の経済センサス(平成28年度版)によると機械器具小売業の事業所数は14万2000。それぞれに地域性の強い商取引が中心であり、商物流の効率化が遅れているとされた市場でもあった。こうした市場に、MonotaROは通販の仕組みを取り入れつつ、集荷と在庫拠点として、ディストリビューションセンター(DC)を配置してきた。現在、3カ所(尼崎、笠間、札幌)配置されているDCの品揃えは間接資材中心に1700万点、当日配送用在庫として常時50万点以上となっている。

「新規顧客」と「購入頻度」を増やすサイト対策

 同社が重視する経営指標として「取引口座数」「購入金額成長率」を掲げている。店舗小売業でいう「客数」「購入頻度・点数」に当たるものだ。同社の決算参考資料によると2017年12月期時点の取引口座数は273.7万。2018年12月末には333.5万を見込んでいる。また購入金額成長率でみると2008年に開設された取引口座数は70.3万だが、初回取引額に対して17年度の購入金額は2.1倍となっている。2011年に取引開始された口座においても17年度は1.5倍となっており、「客数」「購入頻度・点数」とも右肩上がりを継続している。

 こうした新規顧客の獲得とリピートにつなげるために同社が注力している施策がリスティング広告とSEO対策、ランディングページ改良である。これは同社が毎年開示する決算資料の冒頭に必ずといっていいほど掲げられている。同社にとって行進曲調のリズムが印象的なTVCMで認知度を高めつつ、自社サイトへの誘導、検索、購買、というプロセスの改良が生命線なのである。

 ネット通販市場を主戦場とするとアマゾンが最大競合となるが、同社の間接材は「研究開発用品」と分類、表記されている。アマゾンにとって顧客獲得に難航した分野といわれているが、扱いカテゴリーと顧客接点の場をPC、スマホに加え、AIスピーカーといったように広げており、既にMonotaROにとって脅威である。端末画面上において、常に見られる、見られ続ける、注文につなげるための“バトル”の成否がMonotaROの成長を左右する。