どうしてアウトレットモールは増えないのか

 消費者にもブランドビジネスにもおいしいアウトレットモールなのに、どうして開発が停滞しているのだろうか。意外に思われるかもしれないが、商品が足らなくてテナントがそろわないのだ。ファッション業界は慢性的な過剰供給で流通在庫があふれかえっているはずなのに、アウトレット店で売る商品が不足するとは信じ難い話だが、事実なのだから仕方がない。

 流通在庫は確かにあふれているが、ドカッと発生する時期もあれば全く発生しない時期もある。アウトレット店とてお店を構えれば年中、商品をそろえる必要があるが、計画的に処分在庫を確保できるわけもない。在庫がないまま店を開けておけば費用倒れになってしまうから、出店できる店舗数は限られてしまう。ブランドのバラエティがそろわないから、アウトレットモールの開発も限られるというのが現実なのだ。

 それでも多数のアウトレット店を布陣しているブランドもあるが、そんなアウトレット店で売られている商品の大半はアウトレット用に作られた専用品にならざるを得ない。米国系のSPAブランドの中には98%が専用品というケースもあるし、国内ブランドでも専用品比率は年々上昇しており、最新の調査では平均して3割に迫っている。

 かつては持ち越した旧シーズン商品が大半だったが、それでは足りず、近年ではオンシーズン商品も早々とアウトレット店に並べられている。プロパー店舗の鮮度を保つ意味もあるが、アウトレット店の品揃えを補強し鮮度を加えるという目的が大きいようだ。

 その一方で、アウトレット店に並べられないまま焼却処分されたり、中古衣料や工業原料として二束三文で輸出されていく流通在庫も少なくない。アウトレット店では商品が足らないのに、アウトレット店に回せない商品が大量に処分されていくというミスマッチが起きているのだ。

OPSがアウトレットモールの未来を開く

 

 日本では37カ所に留まるアウトレットモールも、米国では10倍の373カ所も存在する。米国でもアウトレットモールは96年の329カ所でピークを打って減少に転じたが、リーマン・ショック以降は再び急増している。再拡大を支えたのがアウトレットストアに代わって急成長し7兆円もの市場を形成したオフプライスストア(OPS)だ。

「アウトレットストア」はブランドメーカーや小売店が自らの売れ残り品を販売するのに対し、「オフプライスストア」は他から仕入れた売れ残り品を販売する。それ故、調達ルートを広げれば豊富な品揃えが可能で、容易に店舗を増やすことができる。実際、最大手のTJX社は平均800坪のストアを4070店、2位のロス・ストアーズは同600坪のストアを1622店も展開している(18年1月期)。OPSは郊外のパワーモールやストリップモールにも出店しているが、アウトレットモールのテナント不足を補ったことは間違いない。

 わが国でもOPSが出店するようになればアウトレットモールの開発が進み、ミスマッチで大量に処分されている流通在庫も販売の機会が広がる。ブランド側の意識転換や再流通システムの整備が必要とはいえ、ミスマッチを解消する効果は大きい。11月29日に開催するSPAC月例会「オフプライス/リユース流通総研究」が転機となれば幸いだ。