スーパーマーケット(SM)における日用雑貨品の位置付けに悩んでいる企業は多い。競合するドラッグストア(Dg.S)は品揃えも幅広く、医薬品も取り扱っているため価格政策も取りやすく、SMにとってはかなり強敵だ。

 では、日用雑貨品の取り扱いをやめて、食品にだけ注力すればいいのか。もちろんそうした戦略を取る企業もあるだろうが、今回は日用雑貨品をテーマに、その位置付け、品揃えについて、SMの可能性をデータから考えてみたい。

日用雑貨品の購入場所としてSMは重要

 一般的にSMにとって日用雑貨品はどれほどの売上げを占めているのだろうか。インテージのSCIデータによると、SMでの売上構成比は食品が95%と売上げの大部分を占めており、日用雑貨品は3.2%程度である(図表①)。これだけをみると、SMにとって日用雑貨品の売上げは大きいものではない。

※データ:インテージSCI 期間:2017/10/1 - 2018/9/30 業態:SM

 しかし、お客さま側から見ると様子が違うようだ。日用雑貨品を購入するチャネルを見ると、Dg.Sが42%の金額シェアを占める中、SMはそれに次ぐ第2位の21%のシェアを占めている (図表②)。

 またチャネル別に年間で1度でも日用雑貨品を購入した人の割合を見ると、SMでは何と89%のお客さまが購入しており(図表③)、お客さまにとって日用雑貨品を購入する場所として、重要なチャネルの1つであることが分かる。

 つまり、金額のインパクトとしては小さいものの、多くのお客さまとの接点がある日用雑貨品は、SMにとってお客さまとの関係を維持・向上させるための大事なカテゴリーであるといえるだろう。

※データ:インテージSCI 期間:2017/6/1 - 2018/5/31 年間6回以上日用雑貨品購入者に絞る
※データ:インテージSCI 期間:2017/6/1 - 2018/5/31 年間6回以上日用雑貨品購入者に絞る

SMで購入される日用雑貨品はキッチン回り

 では、お客さまはSMでどのような日用雑貨品を購入しているのだろうか。

 まずは他業態と比較して分析をした。

 購入チャネル構成比(金額)でSMの構成比が高い品目を見ていくと、ラッピングフィルムやアルミホイル、食品包装用品などのキッチン系の日用雑貨品が上位を占めており(図表④)、これらの品目の多くがDg.Sをはじめ、どの業態よりも高いシェアを獲得していることが分かった。

 つまり、キッチン系日用雑貨品を買うときにメインとして利用されるのがSMなのである。

※データ:インテージSCI 期間:2017/6/1 - 2018/5/31 年間6回以上日用雑貨品購入者に絞る ※SMの構成比が高い品目順にソート

 次に、まだSMで日用雑貨品をあまり購入していないお客さまに日用雑貨品を購入してもらうにはどうすればよいかを検討した。

 そのため、SMで日用雑貨品をメインで購入している優良顧客のデータについて見ていこう。

 ここでは日用雑貨品購入額の8割以上をSMで購入しているお客さまを対象に、年間購入金額の多い順にヘビー・ミドル・ライトの3層に分割し、それぞれの特徴を見てみた(図表⑤)。

 これによると、ライト層からヘビー層になるに従って、1カ月当たりの購入回数が増えていることが分かる。またそれに伴い、購入する品目数も増えていることが分かる。

 つまり、よりヘビー層になればなるほど、購入機会が増えるだけでなく、購入される品目の幅も広がっているということだ。

※データ:インテージSCI 期間:2017/6/1 - 2018/5/31業態:SM ※年間6回以上日用雑貨品購入者に絞る ※日用雑貨品の業態金額シェアで8割以上をSMで購入している人に絞る

 そこで、よりベビー層になってもらうにはどのようにしたらよいか。ライト・ミドル・ヘビー層、それぞれのお客さまの購入している品目について分析を行った。

 まず、ライト層の購入品目について着目してみる。

 

 購入されているのはせっけんや歯磨きなどのパーソナルケア商品やトイレットペーパーやティッシュペーパーなどの紙製品。これらは日々使用されているもので、切れてしまっては困る必需品であり、品揃えとしてはやはり基本的に外せない。

 次に、より優良顧客になっていく際に、どのような品目を購入するようになるのか。ライト層とミドル層、ミドル層とヘビー層を比較し、買われている商品の違いを見てみた (図表⑦、図表⑧)。

 
 

 ミドル層の購買特徴をみると、せっけんや歯磨きと比べ、利用頻度の低いヘアーカラーやパイプクリーナーなどの商品を購入していることが分かる。これは日用雑貨品をSMで計画的に購入しているとみることができる。

 また、ミドル層とヘビー層を比較すると、防虫剤やマスク、カビ防止剤などの季節性がある商品が購入されていることが分かる。これらの商品のメインチャネルはDg.Sだが、ヘビー層ともなると、SMでも購入するようになるということが分かった。