マンゴツリーの人気料理をイートイン&テイクアウトで提供するマンゴツリーキッチン。JR東京駅構内「グランスタ丸の内」内の店舗はパッタイ専門店だ。

 タイで人気のレストランブランドが日本で着実な成長を遂げている。あるときにはタイそのままの形で、あるときには日本に合わせて微妙に形を変えながら。日本におけるタイ料理の普及に貢献しているマンゴツリーの挑戦をクローズアップしてみよう。

始まりはマルハ時代のコカレストラン

マンゴツリー東京は、丸ビル内にある旗艦店。ゴージャスな外観、内装で本場の味を提供し、ファンをつかんでいる。

 2002年。丸の内を象徴するビル、丸ビルこと丸の内ビルディングに1軒のタイ料理レストランがオープンした。店名はマンゴツリー。高級レストランが並ぶ35階の一員にふさわしい外観・内装の中、洗練された本格タイ料理を提供するレストランだ。

 マンゴツリーはバンコク発祥の人気レストラン。広東料理店からスタートし、自ら考案したタイスキ(タイの鍋料理の一種)の店コカレストランを大ヒットさせた華僑のオーナーは、タイ料理に人々が抱きがちなストリートフードのイメージを変えたいと、コカレストラン本店の隣にマンゴツリーを1994年にオープンした。

 

 古い民家を居心地の良い空間に仕立て上げたレストランは外国人観光客を中心に人気沸騰。またたく間にバンコクの人気レストランに成長した。2001年はロンドンに2号店が誕生している。3店目にあたるのが丸ビルの店舗だ。

 日本でマンゴツリーを運営するのは、大手食品会社マルハ(現マルハニチロ)から独立して生まれたミールワークス。そもそもの始まりはマルハ時代のコカレストランにさかのぼる。

 エンドユーザーとじかに接することのできる新規事業を模索していたマルハは、魚の買い付けや加工の拠点を置いていたバンコクで大人気のコカレストランに注目し、1991年に日本でのライセンスを獲得した。

 当時、日本におけるタイ料理のマーケットは微々たるものだったが、タイを中心に東南アジアは女性の旅行先として脚光を浴びつつあった。日本人とも相性が良い食の魅力にあふれたタイは今後、観光地として人気を増し、日本でのタイ料理の人気も高まっていくに違いない。そんな読みからマルハはコカレストランの導入に踏み切り、1号店を東京・六本木に出店した。

 だが、固定ファンをつかんではいるものの、コカレストランは現在2店舗にとどまっている。タイ料理の鍋料理「タイスキ」に特化したコカレストランとは異なり、タイ料理全般を扱い、ブランドの多角化により躍進しているのが第2弾として展開をスタートしたマンゴツリーだ。