前回の記事を読んだ読者から、「来店理由が店によって違うことは分かるけれど、具体的に各店舗は何をしたらいいのか?」というご意見をいただきました。

 そもそも私は、各店舗によってやるべきこと、そしてやれることは全く異なると考えています。当然のことですが、店舗の立地や取り扱う商品内容、価格帯、周辺の環境、客層など、店を取り巻く要素はその店によって大きく変わります。そのため、たとえ同じ系列店でも取るべき施策が違うことは往々にしてあることだと思っています。

 また最近たびたび感じるのは、仮に立地など好条件に恵まれていたとしても、店で働くスタッフの状況によって売り逃しが大きく起こっている問題です。具体的にやるべきことが分かっていても、従業員の人数が足りない、設備投資が追い付かないなどで、行動につなげられていない店舗も多いと感じます。

 このため、個人的には本部が指示するよりも、一番現場の状況が分かっている個店が主導で各店舗を運営していった方がいいと思っています。ただ、そもそも各店舗の店長が普段の仕事で手一杯で、とてもそこまで気が回らないというのも感じます。そこで、限られた予算や人員を、それぞれの業態の店がどこに充てるべきかについて考えてみました。

ファミリーレストラン(ファミレス):子連れ対応を店内で統一させる 

 

 ファミレスはその名の通りファミリー利用が主ですが、最近では酒類やタピオカドリンクなどドリンクバー以外の飲料の充実により、来店客層が広がっています。

 多くの客層が訪れるからこそ、子連れ対応を店内でどうするかは統一しておく必要があると思います。例えば、赤ちゃんが泣いたときや子供が店内で走り回っているときにどのタイミングで誰に何と声掛けをするか、あるいはしないのかなど、現場判断による接客対応が大きくなっています。

 スタッフごとに異なる対応や言い方は二次クレームにもつながりかねません。なるべくファミリー層同士で近い配置でご案内する、可能なら静かに過ごしたそうな人とファミリー層の席をあらかじめ離して案内するなど、トラブルを事前に防ごうと店内案内時に意識するだけでも違ってくるはずです。

 またクーポンやグループで割り勘の依頼も非常に多いので、これらがスムーズに対応できると効率的です。席を早く案内できれば、回転率を上げることができるからです。

コンビニエンスストア(コンビニ):すぐに店を出られる導線設計

 

 コンビニは早く買物を済ませられる点が最大の特徴です。そのため、少しでも早くお客さまが店を出られる設計を考えるのが最優先です。よく出るタバコの銘柄を覚えておく、欠品棚の商品補充から優先して行うなど買い逃しをできるだけ防ぐよう品出しのタイミングを意識する、レジが早くなるような仕組みや設備を整える、振り込みや宅配などカウンター業務で時間を取られる場合は伝票を書いたり書類を探している間に別のお客さまのレジ対応をするなども行列を作らないコツです。

 レジが混雑するとお客さま側でも導線が混雑しますが、スタッフ側も気持ち的に焦ってミスを誘発しがちです。なるべくレジに行列を作らないことを意識すると、それだけでも気持ちに余裕ができるのではないでしょうか。

 また他業態の店と比べると小型店舗なので、コンビニには新商品や期間限定品をチェックしに来る人も実は多いです。これらを目立つように訴求していけば客単価アップが見込めます。