新規顧客が増えるなら既に導入しているはず

 キャッシュレジシステムを導入しても、販売価格が大手小売店よりも、今まで以上に高くなれば、大手小売店しか行かない顧客が、わざわざ商品価格が高い中小小売店で買物をするでしょうか。

 キャシュレスにしたからといって、そんなに簡単に顧客は増えません。商店街のライバル店がキャッシュレスにすれば、顧客は流れてきません。キャシュレスにしたからといって、皆が喜んで来てくれるかというと、中小事業者の店でクレジットカードを使うのは、セキュリティが心配でちゅうちょする人も出てくるでしょう。

 そもそもキャッシュレスレジにして新規の顧客が増えるなら、消費税増税とは関係なく既に導入しているはずです。

 こんな制度が、本当に中小事業者のメリットになるのでしょうか。かえって大きな負担を背負うことになりかねません。

 消費者にとってもどれだけメリットがあるのかということも疑問です。

 まず、どのカードにポイントを貯めることができるのかハッキリしていません。キャッシュレスカードといっても、クレジットカード、プリペイドカード、Suicaのように、ポイントを貯めることができないプリペイド式電子マネー、スマホのQR決済など、多くのキャッシュレス媒体があります。

 どのカードでも貯めることができるのであればメリットはありますが、限定されればされるほどメリットは少なくなります。

 さらに貯めたポイントはどこで使えるのかも重要です。規模にかかわらずどの店でも使えるのならメリットはありますが、ポイント還元された中小小売店でしか使えないのなら、2%のために普段利用しない中小小売店に出向く気がしないでしょう。

 ポイントが貯まると商品券と交換する百貨店カード、マイレージが貯まる航空会社カード、ショッピングすると貯まる小売店カード等、日本では数多くのカードが使用されています。貯めるカードとポイントを使える店が制限されればされるほど、消費者にはメリットが少なくなります。

 技術的問題ですが、現在使っているクレジットカードのポイントと合算されるのであればいいのですが「2%還元ポイントは別扱い」となると、カード上のポイントのすみ分けはどうするのでしょう。

 普段使っているポイントと、2%還元されたポイントを使う時はどうやって区別されるのでしょう。カード会社のソフト対応は必須ですが、1年間に限定されたシステムをわざわざ開発するのでしょうか。

未確定のことが多く、よく分からない

 2%ポイント還元システムは、まだまだ未確定のことが多く、消費者にとっても事業者にとっても、本当にメリットがあるのかよく分かりません。国は「消費税増税を機会にキャッシュレスレジを増やしたい」という思惑がありますが、実際に導入することで店の事業継続が難しくなる可能性があります。くれぐれも慎重に対応した方がいいでしょう。