「カワイイを所有する自分がカワイイと見られること」をミレニアル世代は求めている。

 訪日外国人が持っているバッグや携帯カバーを見ると、日本のカワイイキャラクターがデザインされたりしています。

 日本に限らず世界中で受け入れられている「カワイイ」(英語では「KAWAII」と、そのままに翻訳される)はなぜ、こんなに訪日外国人に人気なのでしょうか?

 それは、カワイイが発する「抱きしめたいほど愛らしいイメージ」が幼少期に親しんだ日本のアニメや漫画を思い出させ、胸がキューンとなるからです。

 こうしたキャラクターに出会った外国人の中には、10代になるとゲームなどバーチャルの世界でその主人公と遊ぶようになる人も多くいます。そして今、その中心層がミレニアル世代(1980年代前後に生まれ、絵文字に親しみ、SNSで自己表現する)になり、アニメや漫画のキャラクターに変身する「カワイイ疑似体験」に夢中になっています。

売場全体で「カワイイ」を感じてもらうことが重要

 訪日外国人はハローキティやポケモンのキャラクター商品を購入しようと必死です。特に今、大人になったミレニアル世代はポケモンのテーマパークで自国にない商品を手に入れ、ポケモンの世界に浸って満足しています。そのため、日本国内に「ポケモンのキャラクターを付けるだけで売れるだろう」と、新規の訪日外国人を対象にした、ポケモンをアイコンにした商品を並べるだけの店が増えています。

 果たして、今後もこうしたキャラクター頼みの店が訪日外国人のリピートを生み出せるのでしょうか?

 答えは、ノーです。

 なぜなら、こうした店はキャラクターがあふれているだけの印象となり、リピーターには代わり映えしない店に映るからです。今後は、キャラクターに類似した商品(動物のカードやカレンダーなど)も関連陳列し、売場全体で訪日外国人に「抱きしめたいほど愛らしいイメージ」を感じてもらうことが重要になります。

「自分がカワイイと見られること」を求めている!

ギャラリーの展示は商品を見せる順序が重要になる。それによって、商品の説明が際立つかが決まる。

 今、30代になり始めた「カワイイ」を支持する中心層はモノの豊かな時代に育ちました。そのため、この層は商品の所有ではなく、「カワイイ商品を所有する自分がカワイイと見られること」を求める傾向を強く持っています。

 そう考えると、ミレニアル世代への提案で今後必要になるのが、「自分だけのカワイイを発見する場を提供し、カワイイをもっと知りたいと思ってもらう売り方」だと分かるはずです。

 ただ、そういっても、どうするのか?

 その実現はなかなか難しいのですが、ヒントは自分だけのカワイイ商品づくりができるギャラリー形式のワークショップの開催にあります。ギャラリー形式の店でカワイイキャラクターが生まれた秘話を知り、それに関連するアイテム(ポケモンならオタマジャクシとか)でカワイイ商品をつくる体験してもらうのです。

 その際の3つのポイントをまとめました。

1 カワイイ商品を博物館や美術館のように陳列し、説明を加える。
2 カワイイ商品をつくるワークショップを開催する。
3 カワイイキャラクターにイメージが近い商品(雑貨など)を関連陳列する。

 これらに取り組むことで、「何かをつくり、もっと自己表現したい」「カワイイキャラクター好きな自分をSNSでアピールしたい」というミレニアル世代に満足してもらいましょう。