経営層が人員減の配置計画を作ることが端緒になる

 編集部:なるほど、テイラーが言った「作業の標準化は生産性を上げることだ」ということから、物事を整理すると、わが国の小売業経営の基本の骨が各所で複雑骨折してしまったことがよく分かります。

 じゃ、一体、どこから手を着けたらいいのでしょう。『働き方改革法』で同一労働・同一賃金の方向へ向かわねばならないことが国会を通り、生産性を上げなければならないという必要性は、今、大手・中小にかかわらず、どの経営者も感じ始めています。われわれも感じることですが、事実として、生産性の話が頻繁に出るようになっているのです。

 吉田:まず、経営計画においての人員配置計画からです。図表①に、これを示します。売り上げ予算にかかわらず、既存店では前年比でマイナスする店舗が80%以上になっています(日本チェーンストア協会の約8000店)。商圏の人口減と世帯所得の増加がないことが、商品需要を増やしていないからです。

 

 こうした現実の中で、来年の売上げはといえば3%から5%の上昇を目標にしています。

 既存店の人員配置数の計画は、同じです(80%を占めるパートは1日8時間労働で1人とする)。

 1年経って、今までの傾向のように、既存店の売上げがマイナス3%だったらどうなるか。人時生産性は3%マイナスです。この生産性改善の入り口に大きな問題があるのです。

 端的にいえば、既存店の人員配置の計画はマイナス5%から10%でなければならない。図表①の事例では、人員数はマイナス5%にしています。マイナス8%がもっといい。マイナス10%は一般には無理でしょうか。

 こうした人員減の配置計画を立てると、店舗の現状の人的な作業のムリ・ムダ・ムラをとって合理化しなければならないことが分かるでしょう。ここから、現場作業の合理化に入っていくのです。

 現在の既存店の売上げが増えない小売環境では、経営層がこうした人員減の配置計画を作ることが端緒になります。

 今の作業方法のままでは、売上げを一層、減らすことになる人員減はできないとなるからです。

 ここから、生産性の改善を図っていく方法に入りますが、それは次回としましょう。

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