来店理由は店によって違う

●「スピード」にお金を払う人

 

 ファミレスやファストフードが好調なのは、1つには夜間営業が多い居酒屋と比べて、営業時間が長いという点が大きいと思います。でもそれ以上に、私は「来店理由」が肝なのではないかと感じました。

 基本的にファストフードは「早く食事を済ませたい」お客さまがメインターゲットです。レジに着いてからではなく、長蛇の列に並んでいる間に注文内容を決めるという人も多いでしょう。

 繰り返しになりますが、こうした人たちの目的は「早く食事を済ませること」です。早く食事を済ませたい気持ちで来店しているお客さまは、注文に時間をかけるでしょうか? メニューを隅から隅までじっくり見てから注文する、クーポンで安いメニューを吟味してオーダーを決定するのは、どちらかというと少数派なのではないでしょうか。

 この場合、目に留まりやすい位置に掲載されているセットメニューや写真が大きく掲示されているデザートメニューは、多少割高でも選ばれやすいと思います。メインターゲットの一番の目的は「早く食事を済ませて店を出ること」だからです。

●「滞在」にお金を払う人

 これに対してファミレスは、ドリンクバーがあるため店内に長く滞在するお客さまが多いです。私も子供が生まれてファミレスを利用する機会が増えましたが、メニューを眺めていると以前よりもコース展開の充実、酒類やカフェの単品ドリンク種類を増やして客単価アップに力を入れている印象を受けます。

 前菜・スープやサラダ・メイン・デザート・ドリンクバーというようなコース料理にすると、入店前に想像していた客単価を軽くオーバーするイメージです。時には同じようなメニュー内容でもカフェより高くなりますが、「ドリンクが飲み放題=スタッフの目を比較的気にせず長時間滞在がしやすい」というイメージが強いので、結果的に多少割高でも「場所代」として選ばれるのだと思います。

 では、居酒屋はどうでしょう? 仕事帰りのリフレッシュや歓送迎会、女子会などが来店理由として思い浮かびます。でも「具体的な来店理由」としては、上記2店に比べると弱い気がするのです。元々居酒屋は「お酒を飲む場所」という位置付けでしたが、現在は他の形態の店や家飲みにそのシェアを奪われているように感じるのです。