ビックカメラの出店戦略に変化が出てきた。

 近年の新店を見ても「ビックドラッグ」(ドラッグストア)、「ビックカメラセレクト」(小型家電、日用雑貨、トラベル関連)などのカテゴリー特化型店舗、また「Air BIC CAMERA」の店名で中部国際空港、羽田空港国際線ターミナルなどインバウンドをターゲットとした特殊立地店舗が目立つ。

 同社の2018年8月期決算は売上高8440億円(前年比106.8%)、営業利益270億円(同123.8%)と好調だ(売上高内訳はビックカメラが4875億円、連結子会社のコジマが2463億円)。

 市場調査会社のGfKジャパンによると2017年度の家電市場は7兆700億円(前年比101%)と微増。薄型テレビ、大型生活家電が好調であることが要因。2018年上半期(1~6月)時点でも1%伸びを継続している。

 家電チェーンランキングでは売上高順にヤマダ電機(1兆5738億円、970店*設置・修理サービス主体の小型FC1万1059店は含まず)が断トツ。以下、ビックカメラ(187店)、エディオン(6862億円、1186店)、ケーズホールディングス(6791億円、496店)、ヨドバシカメラ(6805億円、23店)。*ビックを除き各社18年3月期。

 そのヤマダ電機も売上高は前年比100.7%、営業利益では357億円(同67%)と踊り場にある。家電に続く新たな柱に育成中の住宅設備機器事業も20%以上の伸びを続け、構成比も10%近くになったが、まだ時間を要しそうだ。

年間3割増を続ける「医薬品・生活雑貨」

 2番手グループの筆頭に当たるビックカメラは音響映像、家庭電化部門で売上構成比5割近くに達する。同部門ではカメラ、テレビ、レコーダー・ビデオカメラなどのカテゴリーも前年越え。最も構成比の高い情報通信機器部門(売上構成比31.3%)も伸びは高いがパソコンソフトが減少、周辺機器、パソコン本体、携帯電話がけん引となっている。

 先の上位家電チェーンの中で、店舗数の少なさが目立つのがビックカメラとヨドバシカメラ。ビックカメラの場合、郊外店舗主体のコジマを含めたグループ全体では187店舗だが、ビックだけでは46店舗。その一覧を見るとターミナル駅中心としたレールサイド立地がほとんど。ここまではヨドバシカメラも同タイプといえるが、ビックカメラの特徴は冒頭に挙げた店舗の広げ方にある。ドラッグストア、日用雑貨、トラベル関連カテゴリーの品揃え、国際空港ターミナルへのピンポイント出店など新たな顧客ターゲット、収益源を狙っていることがうかがえる。

 特に医薬品・日用雑貨。これらは既存のビックカメラ内でも展開されており、来店頻度を高める部門の1つとなっているが、「セレクト」業態のようにより小規模、小商圏(ただし、繁華街、観光地立地)へのピンポイント出店の武器にもなっている。同部門の売上高は175億円(前年比130.6%)と、約30%の伸びを続けている。インターネット通販の浸透によりリアル店舗に軸を置いた販売が転機を迫られる中、家電チェーンもその立地によって、新たな顧客ニーズ、収益源の取り込み方がくっきり分かれる。

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