国内では地域一番店の地位を勝ち取る

 一方、国内をどう見るか。リアルの商業施設にとってマーケットはシュリンクしていきます。地方百貨店の閉店も始まっています。そして「EC対リアル」という構図と「リアル対リアル」という構図がマーケットに生まれます。そのときにECとどう対峙するのか。幸いにもモールはオンラインと最も遠い距離にいたのかなと思います。

 なぜなら施設でしか味わえないコトやモノをつくりやすい施設規模を持っているからです。施設規模が小さく物販型だけの施設はエンターテインメントを導入しイベントをし、ショップを増やすのに限界があります。当社としては施設にお客さまに足を運んでもらえるきっかけづくりをする取り組みをこの3年間やってきました。

 リアルとオンラインの違いをいかに出すかというこの取り組みは、同じリアル同士の競争でも強みにもなる。他のリアルの店との差別化も自動的にできていたのです。

 やがてリアルの中で淘汰(とうた)が始まるだろうと考えています。残ったところにマーケットが集約されてくる。だからそこのポジションをいかに取るかが重要なのです。施設規模も駐車場規模も必要ですが、サービスなどテナント構成の魅力をトータルで持った施設が地域で最も支持される施設になるのです。支持される施設になれば、オンラインで全部は買物はできませんから、集まってきます。

 テナントも地域一番店に集中し始める。そのポジションをどう取っていくかが国内の戦略なのだろうと。

 だから当社はある程度の施設規模があっても今盛んに増床と活性化を実施しています。今年は3月に宮崎(宮崎県)を増床しました。宮崎は地域一番店でしたが、さらに増床しました。地域のお客さまから頂いた「こういうものがあったらいいのに」という声を増床で補完していくのです。

 増床は拡張した部分をプラスするのではなく、その機会に全部中身を見直します。一度リセットして、大きくなった新店をそこにもう一度造り直すというイメージです。そうするとお客さまは望んでいたものが全て入った新店ができたと思え、地域一番店のポジションが取れる。各エリアで求められていて欠けているものは何かをはっきりさせるのです。

 オンラインとリアルの融合はまだできていません。実店舗を持つ強みをオンラインで生かすことができれば、地域一番のリアルな店になるし、オンラインとジョイントできれば非常に強い施設になっていくと思います。

(3ページ目に続く)

 

 

※『販売革新』2018年11月号に本記事とは別にイオンモール吉田昭夫社長のインタビューが掲載されています。

※『販売革新』はオンラインストアや紀伊国屋書店など大手書店で発売しております