本部が目を光らせる「レアな販促資材のフリマ出品」

欅坂46の織田奈那さんのブロマイド。著者と同じで「浜松市やらまいか大使」を務める。

 今年に入りセブン-イレブンでは乃木坂46、ローソンでは欅坂46とナンバーグループアイドルとのコラボが実施されている。CDの限定版やコンビニコピー機サービスの"こんぷりん"で限定ブロマイドを発売。ローソンの欅坂46の企画では、キャンペーン期間中、店頭ポスターを38枚作り、それを"こんぷりん"の限定ポスタープロマイドとして展開し、コレクション性と企画力で人気を博したようだ。

 店頭ポスターなどの販促資材はレアなものとなり、マニアとしては手に入れたいものとなるが、店舗がメルカリなどのフリマなどに出品するケースが発生するため、チェーンによってはキャンペーン終了時に店舗で廃棄せずに店舗巡回員が回収するとの対応も。仮にメルカリなどに出品があった場合は、本部が落札し店舗や出品者を特定するという徹底ぶりだ。

「人気がマスに駆け上がる直前」が相性がよい

 コンビニとアーティストの本格的なコラボのスタートは1993年に始まった、ローソンとジャニーズ事務所と組んだ"ジャニーズワールド"という限定ビデオだった。

 当時、スーパーバイザーだった僕は、商品部からの説明に対して、「何で、ジャニーズのアイドルとのビデオなのに人気絶頂の光GENJIではなく、SMAPというそんなに認知のまだないアイドルなんだ」と質問をして食ってかかった。

 今となっては笑い話だが、全国に店舗網のあるコンビニは人気がマスに駆け上がる直前アーティストとの相性がよく、その舞台装置として最適。ローソンのこのビデオが、SMAPが国民的スターに駆け上がるキッカケの1つの役割を果たしたことは間違いないだろう。

 このジャニーズワールドは、動画を観られるのはテレビ、ビデオ、映画しかない時代だったため、1店舗当たり毎号約40本の販売があり、シリーズ累計で100万本以上を販売する大ヒット。インターネット通販はまだなく店頭受け取りのみだったため、ローソンが無いエリアでは、100km以上離れた場所から買いにくるお客もいたようだ。

 このジャニーズワールド、余談だが、ローソンが2匹目のドジョウを狙い、1996年に安室奈美恵ワールドというビデオを発売し、ジャニーズ事務所との関係がこじれ、ジャニーズワールドの展開が終わったという歴史もある。

激化するエンタメのコンビニコンテンツの争奪戦

 

 ローソンは、ジャニーズワールドの流れを汲み、1996年にローソンチケットの販売を開始し、1997年にコンビニで初めて47都道府県に出店したことも重なり、エンタメ企業側からコンテンツの持ち込みが集中し、コンビニのエンタメはローソンの独壇場となった。

 ただし近年は、セブン-イレブンがほぼ全国に出店し、店舗オペレーションの徹底力があることから、SMAPも安室奈美恵もセブン-イレブンが最後のコラボ先となり、エンタメのコンビニコンテンツの争奪戦が激化。元SMAPの香取慎吾は、昔はやった慎吾ママに引っ掛けて、慎吾母として、ファミリーマートの惣菜「お母さん食堂」のキャラクターとなっていたりもする。

 1チェーンで1万店以上の店舗網を日本全国に持つコンビニは、アーティスト側からみても魅力があるというわけなのだ。

店頭とプリントサービスを切り分けて、集客に活用

 コンビニ側の集客策としても、アーティストやアニメ、ゲームキャラなどの展開もまだまだ加速しそう。コンビニコピー機のプリントサービスでは、「刀剣乱舞」などのアニメを舞台化して出演する2・5次元俳優たちのブロマイドが一番の売れ筋のようだ。

 お客さまから見える店頭コラボは、国民の誰もが知るアーティストで、コピー機のプリントサービスでは全体の知名度よりは、たくさんのファンを持つアーティストと切り分けて集客を進めているのだ。

 今後、コンビニとアーティストのコラボどのような進化して発展してくのか目が離せずワクワクせずにはいられない。

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