PBのビジネススーツを着込んで、その発売を華々しく発表したゾゾの前澤友作社長(今年7月)。

 ファッションEC(電子商取引)サイト「ゾゾタウン」を運営するゾゾ(旧スタートトゥデイ)は31日、プライベートブランド(PB)「ゾゾ」の名で7月に売り出した完全オーダーメードのメンズビジネススーツの出荷が生産工程の不具合で大幅に遅延し、PB事業の7~9月期の売上げが5億4500万円と目標の15億円に程遠い実績になり、同事業の営業利益が39億8400万円の赤字になったことを明らかにした。

生産工程で不具合が起き、配送が大幅に遅延

 同社は昨年秋に着るだけで採寸できるとしたゾゾスーツを無料配布すると発表したが、その大量生産に失敗。自社開発の新タイプに切り替えたが、実際に配布されるまでには半年以上かかったという実績がある。巻き返しを図ろうと目玉商品として打ち出したビジネススーツだったが、それも立ち上がりからつまずいたことになる。

 前澤友作社長によると、計測データに基づいた縫製パターンの自動生成パターンに不具合が生じた他、生産工場とのデータの連携がうまくいかず、生産と配送が遅れた。受注から2週間で届けるとしていたが、2~3カ月待っているお客もいるという。注文実績は15億4000万円とほぼ計画通りだったが、お客の手元に届けられず、売上げにならなかった。

 同社は「ゾゾスマートファクトリー」と呼ぶ実験ラインを千葉市の本社近くに立ち上げ、機械設備と人員を配置して、裁断、縫製、検品、梱包まで生産の自動化について研究。「生産ラインが確立するまでは物を出さず、中国や東南アジアの工場に委託しない」(前澤社長)との対策に乗り出し、「遅延は年内に解消する」(同)としている。

 このため、2019年3月期のPB事業売上高を200億円とする計画は下方修正しないという。ただし、当初秋には展開するとしていた女性向けのインナー、コート、ワンピースなどへのアイテムの拡大は実現していない。

今後はゾゾスーツなしでも購入できる体制に

 前澤社長はまた今後は採寸用ボディスーツであるゾゾスーツで計測しなくてもPB「ゾゾ」が購入できるようにするという方針転換を明らかにした。これまで蓄積した数百万件の計測データとお客からの製品へのフィードバック情報を機械学習。お客の身長、体重、年代、性別を入力すれば計測値を予測して数千サイズの中からお客に合った最適サイズを提案する技術を開発したという。現在はデニムパンツとTシャツだけで対応できているが、将来的にはビジネススーツも含め全アイテムに拡大するという。

 これに伴いゾゾスーツは当初600万~1000万枚を配布するとしていたが、最大300万枚の配布に変更。コストが30億円削減できるという。ただ7月から開始した欧米などへのグローバル展開では「各国のユーザー情報を知るためのサンプルデータの収集に必要」(前澤社長)として、配布を継続する。

 さらに前澤社長は、今後はお客の足を計測して、左右で異なる実際のサイズの靴を自社で生産・販売するという方針を明らかにした。

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