アメリカのネット通販市場で50%弱の売上げシェアを獲得するアマゾン。同社が展開する新業態のコンビニスーパーマーケット「アマゾンゴー」は、2021年までに国内3000店舗を目指す戦略的業態と捉えられ、日本進出も視野に入れている状況です。しかし、便利さだけのアマゾンゴーが果たしてアメリカ全土で消費者に支持されるのでしょうか?

 なぜなら、以前アメリカに進出した英・テスコの無人店舗業態ネイバーフッドマーケット「フレッシュ&イージー」が、多少のサポート人員のみのセルフレジを武器に、買物時間を短縮できる便利さと、コスパ抜群のオーガニック商品の品揃えで勝負したにもかかわらず、市場撤退を強いられたことがあったからです。地元住民は「食事の悩み」を解決するだけのPOPを廃したお店に一度は来店しても、結果、親しみを覚えるまでには至らず、既存店のリピート率が低下してしまったのです。

アマゾンゴーにはない3要素を実践せよ!

 アマゾンゴーはスマホにダウンロードしたアプリを使い、キャシュレスで買物ができる全て自動化された無人コンビニスーパーマーケットというだけではありません。膨大な購買データからAIの深層学習により抽出された品揃えを駆使した点が特徴です。

 つまり、来店客が人気のある商品がそろった店内を見て回り、「これが欲しかったんだ!」と、あたかも以前、接客されたかのような親しみを抱くような仕組みがあるわけです。

<アマゾンゴーが親しみを生み出す仕組みとは?>

1.人口が密集する都市部に出店し、時間を重要視する住民を対象に客数を最大化する

2.デジタルになじんだ顧客層が志向するサステナブル(持続可能)な商品を訴求する

3.アマゾンプライム会員を含むミドルからアッパーの所得層が憧れる食を通じたライフスタイルを提案する

 アマゾンゴーが日本に進出したときには、この仕組みを生かしつつ、さらなるアマゾン会員獲得に向けて積極的な囲い込み施策を行うことは間違いないと思われます。

 そうした「アマゾンゴー」に日本発の無人店舗が対抗するには、何が必要か?

 私はアマゾンゴーにはない次の3要素が必要不可欠だと考えています。

1.誰もがアクセス可能な入店条件→「気軽さ」

2.選択可能な割引、ポイント特典などを提供→「お得感」

3.“出来たて”のおいしさを感じさせる売場演出→「おいしさ」

 その理由は、アメリカでは多くの消費者が、無人店舗には携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末で支払う便利さ(自動改札式入退店、原則定価販売)だけを期待しますが、食品の購買頻度が多い日本では、特に都市部以外のお店では毎日の買物に何らかのお得感があることが強い来店動機となるからです。