京急本線・大森町駅から徒歩約10分。クリーニング工場の跡地に開発した。施設前面には2階に直接上がれる大きな外階段も付いている。

 三菱商事都市開発は東京・大森の住宅地に地域密着型の近隣型ショッピングセンター(SC)「マチノマ大森」を11月1日に開業する。同社はこれまでキュートキューブ 原宿(東京)やマリン&ウォーク横浜(横浜市)など非日常型のSCを開発してきたが、同社としては初めて日常型のSCを開発した。生活に根差したSCとして「マチノマ」ブランドを確立し「将来的には全国展開を目指す」(神崎圭輔執行役員)という。

1.5㎞圏に20万人が住む厚い商圏

 1次商圏は半径1.5㎞圏の20万人。流入により人口が増加している厚い地域で、30代~40代のニューファミリーが中心だが、若手の単身者が多く、1㎞圏内の単身世帯比率は53%に上る。町工場が多く立地し、古くから住んでいるシニア層も多いという。主に徒歩や自転車での来店を想定している。

1階のイベントスペース。ここでも定期的に季節に合わせたワークショップやイベントを実施する。左手に核店舗のSM「ライフ」が見える。

 店舗面積は約9000㎡。5階建て施設の1~3階が店舗になっている。1階はスーパーマーケット(SM)の「ライフ」と食物販、2階はフードコート「マチノマキッチン」と物販、3階はフィットネスクラブとコミュニケーションスペース「マチノマノマ」、医療モールなど各種サービステナントを配置。来年4月に認可保育所が開所する。

2階のフードコート「マチノマキッチン」。韓国料理、アイスクリーム、ハンバーガー、ラーメンなど7店が出店。全236席とNSCとしては大規模な展開だ。
「ペットの専門店コジマ」(2階)。生体を含めペットフードやグッズなどペット用品を品揃え。ペットをシャンプーし、カットする「トリミングサロン」も併設している。
3世代のファミリーに提案する靴の「アスビーファム」(2階)。イオングループのジーフットが運営する。売場面積は約100坪。
キャンが展開する親子服の「サマンサモスモス ケイッティオ」(2階)。右手奥にはストライプインターナショナルの「グリーンパークス トピック」がある。

 飲食機能やイベントの充実、地域との関係づくり、生活サポートの充実など「従来の利便性を重視したNSCよりも滞在性やコミュニティに関わる機能を強化した」(工藤歩開発第2部アシスタントマネージャー)という。

地域の交流スペース「マチノマノマ」

 1階はSMの「ライフ」が核で売場面積は615坪。20代~30代の少人数世帯が多い地域特性に合わせ、店内調理品や時短・簡便商品などを多くそろえた。ベーカリーカフェの「ブーランジェリーボヌール」、鮮魚の「タカマル鮮魚店」、輸入食品やグロサリーの「フード ウェアハウス」などが並ぶ。

 2階はフードコート「マチノマキッチン」がテラス席を含め236席と、この規模の商業施設では珍しい充実ぶりだ。テナントは7店で1階にも出店している「タカマル鮮魚店」が刺身や海鮮丼などを提供、夜のちょい飲みシーンにも対応する。「いきなり!ステーキ」も店を構えた。

 その他、「ペットの専門店コジマ」「マツモトキヨシ」「ダイソー」、生活雑貨の「ハピンズ」(旧パスポート)など日常生活に欠かせない物販店が軒を連ねる。衣料品はストライプインターナショナルグループが展開する「グリーンパークス トピック」「サマンサモスモス ケイッティオ」という小商圏対応の2業態が出店した。

 3階にはJR東日本スポーツが「ジェクサー・フィットネスガーデン ソプラ」を出店。医療モールでは内科、耳鼻咽喉科、小児科が12月にはそろう。

3階ではJR東日本スポーツが運営する女性専用のフィットネスジム&スタジオの「ジェクサー・フィットネスガーデン ソプラ」が営業している。
3階のメディカルモールには内科、耳鼻咽喉科、小児科のクリニックが集まる。内科は先行してオープンし、後は12月に開業する予定。3階には他に歯科もある。
3階の目玉である「マチノマノマ」のラウンジ。ミーティングやセミナーに利用できる。施設内にある工房には工具やミシンなどの機器も備えてある。京王電鉄グループのリビタのスタッフが常駐する。
「マチノマノマ」に併設されたキッチンスタジオ。1階の「ライフ」で食材を購入し、ここで料理することも可能。厨房機器や皿などが備えてある。

 三菱商事都市開発が力を入れるのは交流スペース「マチノマノマ」だ。日常を楽しくする体験ができる地域のためのスペースで、オープンキッチンやラウンジを設け、料理教室や大田区のモノづくりに触れるワークショップなどのイベントを開催。食材を持ち込むホームパーティなど、お客同士が交流できるレンタルスペースとしても利用できる。イベントは年間100本打つ計画だ。

 SCの管理・運営(PM)はジョーンズ ラング ラサール傘下のJLLモールマネジメント。三菱商事都市開発はこれまで商業施設を開発し、一定期間運営した後、国内の上場REIT(不動産投資信託)や私募ファンドに売却してきた。売却と同時にPM会社が変更になることにテナントから不満も出ており、同社としては初めて開業時からPM会社に任せ、SC運営の継続性を確保する。

  • ◆マチノマ大森
  • 所在地/東京都大田区大森西3-1-38
  • 敷地面積/約8400㎡
  • 店舗面積/約9000㎡
  • 階層/店舗1~3階
  • テナント数/40店
  • 駐車台数/約270台
  • 駐輪台数/約430台
  • 営業時間/10時~20時(1階ライフ9時~24時、2階フードコート10時~21時)
  • 管理・運営/JLLモールマネジメント
  • 開店日/2018年11月1日
  • デベロッパー/三菱商事都市開発
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