現代ではパワーポイントで考えを整理する上で必須の技法になっています。

 文化人類学者の川喜田二郎さんが開発し、そのイニシャルが名称になったからKJ法。これはブレーンストーミングした情報の整理法、収集した現場情報の整理法、問題解決の思考法として活躍したものです。

 KJ法の象徴はKJカードと呼ばれるシール形式のカードを使用することでした。当時のビジネスマンはこのKJカードを持ち歩いたものです。

KJ法の進め方と、その3つのポイント

 ブレーンストーミングした後の情報整理のケースでお話しします。

(1)「カード化」:ブレーンストーミングして出てきた情報をカードに記入していきます。文字数としては、五七五の17文字から五七五七七の31文字位までが最適です。この段階ではカードを貼り付けません。

(2)「グルーピング」:カードに書かれた情報を読み込み、類似していることを発見、カードのグループを作ります。この段階でもカードを貼り付けません。

(3)「表題づくり」:それぞれのグループの情報を『要するに』と考え、そのグループの表題を作り、カードを作成します。この段階でもカードを貼り付けません。

(4)「関係化」:模造紙の上に元のカード、表題カードを配置し、それぞれのグループの関係を明らかにします。例えば、原因となっているもの、結果としての現象となっているもの、条件となっているもの等です。この段階でもカードを貼り付けません。

(5)「図表化」:模造紙に配置されたカードを分かりやすいように配置を変え、貼り付けます。そして、最後にこの模造紙に表題をつけます。カードを貼ったり、はがしたりができるという点では、ポストイットでも代用できますね。

 この進め方でのポイントは3つあります、1つ目は『カードには1つのことのみ書くこと』です。1枚のカードに複数の情報を入れてしまうとグルーピングができません。2つ目は『何でグルーピングするのかを決めること』です。現象でくくるのか、原因でくくるのか明確する必要があります。3つ目は『批判しないこと』です。複数人数でのブレーンストーミング実施ですから、相手を批判的に見ていてはよい議論になりませんね。

KJ法にもメリットとデメリットがある

 KJ法のメリットとしては、たくさんの情報を整理できること、物事の本質を見いだすことができること、そして、情報を分かりやすく図表化できることがあります。

 一方、デメリットとしては、グルーピング、表札作成をすることで表現が抽象的になり、その辺の本に書いてあることのような一般的表現になりやすいこと、また、グルーピングのプロセスでキラリと光る1つきりの固有情報が埋没する恐れがあるがあることです。

 この現象は現代のデータマイニングでも起こることで、KJ法を勉強した人のデータマイニングは面白い分析結果が出てきます。一方、KJ法を勉強していない人のデータマイニング結果は一般的なものになってしまいます。

パワーポイントでの図表作成に活用できる!

 現代では、KJ法はパワーポイントで考えを整理する上で必須の技法です。パワーポイントで分かりやすい資料が作れない人、迫力ある資料が作れない人はKJ法を勉強するといいですよ。ちなみにKJ法を行うためのPCソフトもあります。

 また、KJ法ほどメジャーにはなりませんでしたが、類似した手法としてNM法がありました。

 これは工学者である中山正和さんが提唱した手法で、KJ法を応用して独創的アイデアを出すことに特化しています。T型展開、A型変換、S型変換、H型展開、D型変換等、多様な強制発想を行うところは大リーガーの大谷翔平選手が取り組んだことで有名になったマンダラート法に似たところがあります。

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食品商業2018年1月号

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鮮魚売場をどうする?

多様な形の魚食文化が発達している日本では、スーパーマーケット(SM)にとっても「鮮魚」は大きな位置付けを占める。しかしながら、昨今の「魚離れ」「肉ブーム」といった流れ、また、調達面では価格の高騰など消費サイド、仕入サイド双方から逆風が吹く。そうした中にあって、全体のバランスの中で売場を「縮小」する企業、逆にあえて売場の「顔」と位置付け強化する企業など対応も分かれつつある。ここで改めて考えてみたい。「鮮魚売場をどうする?」