第3期増床により、テナント数は全308店となり、昨年増床し302店となったMOPジャズドリーム長島(三重県)を上回り、日本一の店舗数となった。

 三井不動産は「三井アウトレットパーク(MOP)木更津」(千葉県木更津市)を第3期増床し26日にオープンする。増床エリアと既存エリアのリニューアルで合計103店を新たに開店、店舗面積約4万5800㎡・全308店になり、店舗数では日本一の施設となる。

 千葉県内では、三井不動産と並ぶアウトレット業界2強の三菱地所・サイモンが運営する酒々井プレミアム・アウトレット(PO、酒々井町)が店舗面積4万1900㎡・213店の規模で、先月28日に同様に第3期増床オープンしたばかり。同社は23日に鳥栖PO(佐賀県鳥栖市)が来年秋に第4期増床をすると発表した。業界では新施設の開業は再来年まで計画はないが、既存施設の増床合戦が熱を帯びてきた。

都心高感度層に向けた希少ブランドを集積

お客の快適性を強化し、施設内にはゆったりと休めるスペースが増えた。

 MOP木更津は2012年4月に店舗面積約2万8000㎡・173店の規模で都心近郊のリゾートアウトレットを旗印に開業。東京湾アクアラインを利用して都内や神奈川県の一部など対岸エリアからもお客を集め、早くも1年後には14年7月に実施された第2期増床を発表。18年3月期の売上高は457億円(前期比6%増)と順調に売上高を拡大している。そのうち対岸エリアでは263億円と全体の58%を占めている。

 三井不動産のハウスカード分析によると、来館者はラゾーナ川崎プラザや都心商業施設であるコレドなど同社の他のタイプの商業施設と買い回りをしているという。また東京・羽田の東京国際空港から高速バスで約21分という立地だが、インバウンド(訪日外国人客)比率は約5%にとどまっている。

 第3期増床では増床エリアに40店、既存エリアと合わせ73店が新規出店。移転リニューアルを含め103店が新たに店を開いた。第1期は幅広く人気ブランドを集めたが、第2期には「クロエ」「マルニ」「ジミー チュウ」「モスキーノ」などラグジュアリーブランドを誘致した。

 今回は「サタデーズ ニューヨーク シティー」「ミスタージェントルマン」「ビアンキ」が初めてアウトレット店を構えるなど、都心高感度層に向けた希少ブランドを集積した。

「来館者は40代~50代のファミリー層が中心だが、昨年の来館者調査で30代~40代も多いことに気付いた。若年層対策も含めて20代~30代の都心で高感度なショップで買物をしている客層に狙いを定めた」と坂ノ下忍アウトレット部長はその意図を明かす。

 一方で、既存エリアで人気が高かったブランドをスケールアップして増床エリアに移転した。

既存エリアで人気が高かったブランドをスケールアップして増床エリアに移転した。

回遊性や滞在時間を高める仕掛けも

 さらにお客の快適性を強化した。今回の増床によってL字型であるものの、施設をぐるりと一周できる巡回型のサーキットモールが完成。施設内の高い回遊性を実現した。

 また①エントランス部分の「ウェルカムホール」、②自然に囲まれた「ガーデンテラス」、③各種サービスの拠点である「サービスラウンジ」――を設け、カフェやレストスペースを拡充し、施設の滞在機能を強化した。現在のMOPの滞在時間は推定で約2時間。これを3時間に延ばしたい考えだ。

増床エリア北側玄関口に建設した「ウェルカムホール」。
増床エリアの中央に位置し、緑あふれる小公園のような「ガーデンテラス」。


 増床エリア北側玄関口に建設した「ウェルカムホール」には、建物内の両サイドに生活雑貨の「メルセデス・ベンツ」と4ブランド複合の「ウェルカムマーケット」を配し、中央にレストスペースを設けた。

「ウェルカムマーケット」の売場面積は70坪、カフェが40坪。4ブランドを複合するのはプロパーを含めて初めて。

 増床エリアの真ん中に新設した緑あふれる小公園のような「ガーデンテラス」には、これを取り囲むように駒沢公園や日比谷で人気の野菜カフェ「ミスターファーマー」やインテリアの「アクタス」が運営する北欧テイストカフェ「スーホルムカフェ」、京都老舗茶問屋直営の和スイーツ「茶匠 清水一芳園」などの飲食店が出店。各種イベントや自然や植物に関するワークショップも開く予定だ。

 また「サービスラウンジ」には、案内所をはじめ、大人も子供もゆっくり過ごせる「ブックライブラリー」、インバウンド客を想定した大型ロッカーや免税カウンターを設置。スタッフが車を預かり帰り際には車寄せまで車を届けてくれる国内アウトレット初のバレーパーキングサービスも有料で提供する。

「サービスラウンジ」には、総合案内所をはじめ、大人も子供もゆっくり過ごせる「ブックライブラリー」を配置した。

アウトレット初出店は23店

 テナントはアウトレット初出店が23店。業種はファッション&雑貨、生活雑貨、食物販、飲食、スポーツ&アウトドアと幅広い。

「サタデーズ ニューヨーク シティー」。売場面積は80坪。200~300アイテムを展開する。商品構成はTシャツ、パーカ、ショーツなど衣料品が8割で、サーフギアが1割、その他雑貨が1割。ここではカフェは併設していない。

「サタデーズ ニューヨーク シティー」はジュングループのクロスビー・イーストが展開する米国・ニューヨーク発祥のメンズブランド。サーフに根差した東海岸的でオーセンティックなライフスタイルを提案する。現在は日米豪で展開しているが、日本では12年東京・代官山に1号店を出店。国内も5店になりアウトレット店の出店の機会をうかがっていた。

「ミスタージェントルマン アーカイブショップ」。ベーシックスタイルを追求し、ディテールやシルエット、コーディネートに少しの違和感を加えることで新しいバランス感を生み出している。

「ミスタージェントルマン アーカイブショップ」はデザイナーのオオスミタケシ氏とセレクトショップのオーナー吉井雄一氏が手掛け、12年にコレクションデビューしたデイリーベーシックブランド「ミスタージェントルマン」初のアウトレット店。マッシュホールディングス傘下の巴里屋が展開する。

 生活雑貨のウェルカムグループは初めて4ブランドを複合させた大型店の「ウェルカムマーケット」を「サービスラウンジ」内に出店した。食材のセレクトショップ「ディーン&デルーカ」と日用品を展開する「ジョージズ」、大人向けのライフスタイル店「シボネ」、食と暮らしの「トゥデイズスペシャル」を統一した什器の下で展開する。また「ディーン&デルーカ カフェ」も併設し、施設内のバーカウンターもプロデュースしている。

 オンワード樫山は「J.プレス」の初のアウトレット店を出店した。メンズとレディスの複合店はプロパー店も含めて初めて。メンズが6割、レディスが4割の構成。これによってMOP木更津内にオンワードグループのアウトレット常設店は6店になった。

「J.プレス」の売場面積は約44坪。昨年秋冬よりメンズからリブランディングを進めており、アメリカントラディショナルの伝統スタイルに現代の感覚を取り入れ、柔らかい素材などを使って着心地に留意。昨秋大丸東京店に新コンセプト店を開いた。
ベイクルーズは「スピック&スパン」「ジャーナルスタンダード」「エディフィス」「イエナ」を複合した大型店を出店した。

 

 

  • 三井アウトレットパーク 木更津
    所在地/千葉県木更津市金田東3-1-1
    敷地面積/約21万5000㎡
    店舗面積/約4万5800㎡(第3期増床分約9300㎡)
    階層/平屋建て
    テナント数/308店(第3期増床分63店)
    年間売上げ目標(経常期)/550億円
    開店日/2018年10月26日
    デベロッパー/三井不動産
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