そろそろ紅葉も色づき始め、装いも「秋・本格化」。というわけで、今年も着用実態調査を行うべく10月6日の土曜日に親子連れで賑わう上野公園で定点調査を行ってきました。

 この日は台風25号の影響からのフェーン現象で気温上昇、季節外れの暑さに。東京の最高気温は29.3℃、最低気温で18.4℃で、半袖姿の夏の装いパパも多数出現しました。

注目はスウェットシャツとアメカジテイスト

 今、マーケットは冬物商戦に突入して秋商戦の反省、再点検のステージを迎えています。今年も極端な気温変動を記録した日が多かったことから、簡単に脱ぎ着ができるカジュアルシャツを含めた軽羽織を中心にトップス類は動いた模様。今年あたりから本格的にスウェットシャツも動き出して、アメカジテイストの復活とともにNextニットアイテムとして今後の動向に注目していきたいと思っています。

「チェック」は安定、「ストライプ」が増加

 さて、今年の定点観測調査ですが、305人の休日パパのうち、183人が長袖シャツ。10人のうち6人が長袖シャツを着ていたことになります。

 毎年、この時期の着用スタイルとして大半を占めるのがカジュアルシャツ。デニム類も含めた無地系のカジュアルシャツが102人と断トツで多いものの、今回は話題のチェック柄とストライプ柄に絞り込んで取り上げてみたいと思います。

 

 まずは過去3年に渡っての推移。撮影サンプル数約300人に対してチェック、ストライプ柄の長袖シャツの着用数は棒グラフの通りです。チェック柄の着用数は一昨年から昨年にかけて増えたものの、今年は一昨年の人数レベルに。これはカジュアルシャツの定番商品として比較的安定した数字だと判断できます。

 これに対して注目したいのがストライプ柄で、一昨年から昨年にかけて着用人数が3倍近くに増えているのが驚き。しかも、今年も引き続き、増加傾向にあります。

 そこで3倍近くにまで着用人数が増えた要因について探ってみました。

「ストライプ」はオシャレな人に支えられている

 ここで、もう1つのグラフ。ストライプ柄シャツの衿デザインに注目してみました。

 

 2016年と今年を比較すると、定番デザインのレギュラーカラー(衿)の構成比は落ち込んでいるものの、デザイン性のある衿デザインが増えています。ここから種類も増えてストライプ柄シャツの着用人数の増加を支えているということが読み取れます。

 ストライプ柄のシャツがトレンドで自然増加したのではなく、オシャレに敏感な人たちが反応して増えたところがポイント。でも、ストライプ柄シャツのトレンドは2年目を迎えたところで、来年も同数近くの着用人数は期待できますが、過去からの経験上、チェック柄を上回ることはないでしょう。

販売動向の見方は「どの層が」が重要

 ファッショントレンドと一言で言っても、ファッションに対する意識の違いにより、ボリュームマーケットにまで浸透するデザインと、そこまでたどりつかないデザインとの見極めが重要となってきます。どのアパレル企業もまずは既存客層があって新規獲得客を開拓していきたいわけですが、品揃えの優先順位やデザイン別の需要予測は、自社の販売実績データ以外の数値動向も気にかけてみる必要があります。

 商品の販売動向とは、ただ単に「増えた、減った」を論じず具体的にどういった層が反応したのかを知ることが重要で、それによって計画数値も変わってこよう。今回のストライプ柄シャツについては、2016年当時の着用者は明らかにファッション感度の低い人たちで構成されていたが、これがファッションリテラシーのある層に受けているのが現状だ。自店のメンズ・カジュアルシャツと比較、再点検してみてもらいたい。

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