荒利高予算を達成したことがないバイヤーがチェーンストア企業にいっぱい存在する。(※写真と本文は関係ありません)

 企業の利益目標達成に一番影響を与えるのは荒利高予算です。荒利高予算を達成させるためには十分な値入高が必要です。そして、その値入高を計画段階で検証することを計画管理と言います。

計画段階で既に目標達成が不可能なバイヤーたち

 荒利高予算を達成したことがないバイヤーがチェーンストア企業にいっぱい存在します。そのバイヤーたちに共通することがあります。

 そのバイヤーの仕入計画は形骸化し、全く役に立っていません。その結果、お取引先との商談が終わり、これから計画が進行していく段階で荒利高予算達成のために十分な商談が行われたか分かっていないのです。

 例えば、ある週、あるカテゴリーで荒利高予算が500万円あったとします。そのためには必要ロスを加味した結果、値入高は約520万円程度必要なはずです。 

 しかし、複数のお取引先との商談結果から上代、下代、想定数量をシミュレーションし、その時の計画段階での売上高、仕入高、値入高をそのバイヤーは算出していないのです。

 当然のごとく、そのバイヤーは商談前に目標値入高(商品別上代、下代、数量計画=仕入計画)を持つことはありません。

計画段階での検証の必要性と難しさ

 バイヤーが計画段階での値入高検証を行わない理由には必要性を理解していないこともありますが、集計作業が大変複雑で厄介であることも挙げられます。

 バイヤーや商品部長に計画段階での値入高集計を依頼すると、「そんなこと絶対無理です」と返ってきます。しかし、この時がチャンスです。誰も計画段階で値入高を見たことがないのですから。

 こんな時、強制的に集計をしてもらいます。荒利高予算が500万円であるところ、値入高は480万円にしかならないことが分かります。この数値を見たバイヤー、商品部長はがくぜんとします。これでは荒利高予算達成は100%不可能です。

 この計画段階での値入高集計は、定番/特売別集計、取引先別データをカテゴリー別に集計、各種期間別データを特定週に合わせて集計、仕入単位を販売単位に変換して集計などが入り乱れ、複雑です。

 しかし、集計に取り掛かれば、結構できるものです。まずは曖昧なものがあっても集計を完成させましょう。慣れてくればデータ精度は上がってきます。見たことがない実態を見られるのは楽しいものです。

計画段階で2つの検証をする

 バイヤーには計画段階で2つの検証を提案しています。

1つ目は商談が終了した時の値入高検証です。焦点を当てる週の荒利高予算を明確にし、取引先別の商談結果から計画段階の値入高を集計。そしてカテゴリーごとに値入高を再集計、必要ロスを差し引いて、荒利高予算に十分な値入高を確保できているか検証します。

 当然、商談前にその商談の目標値入高(仕入計画)を持つようにします。

 2つ目、店舗での発注量が本部へ送信された段階での検証です。EOSのデータは本部で全店分集計されますね。既に売価、原価は決定済みですから、総売上高、仕入高、値入高が計画段階で集計できます。

 この値入高を該当する日の荒利高予算と検証し、荒利高予算達成に十分な発注量になっているかを確かめます。

〈まとめ〉計画段階の検証が重要

 通常、検証は実施後の検証をイメージすると思いますが、計画段階での検証もあり、この計画段階での検証は大変重要となります。象徴的に言うとPOSデータの検証を実施後の検証、EOS(仕入れ)データとの検証を計画段階の検証ということができます。

 計画段階で検証することを計画管理と呼ぶのです。