提携したイオンの岡田元也社長(左)とフジの尾﨑英雄会長(12日、東京・内幸町)

 イオンは四国4県と広島県、山口県でスーパーマーケット(SM)やGMS(総合スーパー)など96店を展開するフジ(松山市)と12日、資本業務提携を結んだ。相互に株式を持ち合い、商品の共同調達や地域独自のプライベートブランド(PB)の共同開発、物流センターやプロセスセンターの共同利用などを行う。両社グループ間で役員を派遣する。イオンは中四国地域で来年3月1日にSM子会社のマックスバリュ西日本とマルナカ、山陽マルナカが経営統合する方針を表明しており、フジがこれに加わる可能性もある。

 イオンが経営統合する中四国のSM子会社3社とフジの18年2月期の売上高合計は7110億円で、圧倒的な地域ナンバーワンの事業連合体が誕生する。これを2021年以降に1兆円に拡大する。イオンのSM子会社3社の店舗数は現在288店、フジの96店を加えると合計384店になる。イオンリテールが中四国で展開するGMSなどを含めれば424店に膨らむ。

イオン岡田社長が「フジも合流を」とラブコール

 イオンは来年2月末をめどにフジの発行済み株式総数の最大15%を既存株主から相対で取得する。フジは中四国地域のイオン子会社3社が経営統合する来年3月以降に、マルナカと山陽マルナカの完全親会社となるマックスバリュ西日本の株式をイオンから取得する。株式数は未定。仮にイオンがフジの株式15%を取得する場合、現在の株価を基に計算すると約130億円になる。ちなみにフジの筆頭株主は衣料品・雑貨の製造卸であるアスティ(広島市、持ち株比率20.8%)だ。

 業務提携の骨子は①商品の共同調達(ナショナルブランド商品、地域商品、輸入商品)、②中四国地域の独自PB商品の共同開発、③相互のショッピングセンターやGMSの活性化と地域の客層に合わせた店舗展開、④物流センターやプロセスセンターなどの機能整理と活用、⑤資材や什器、備品などの共同調達、バックオフィス業務統合によるコスト削減、⑥クレジットカードや電子マネー、ポイントカードの共同利用への取り組み、⑦ネットビジネスの共同研究、共同開発、EC(電子商取引)への取り組み、⑧両社グループ間で相互に役員派遣――をすること。両社は早期に「提携推進チーム」を立ち上げ、具体的な方針や内容を詰める。

四国を地盤とするフジが運営する店舗の売場。

 両社は12日に都内で記者会見を開いた。フジの尾﨑英雄代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)は「少子高齢化で単独では生き残れない時代になった。特に中四国では人口減が進んでいる。地域を守るため四国に漏れなく出店するのが目標だが、現実になし得るのは難しい。かねてからパートナーと組むことを検討してきた」と提携の背景を話した。

 イオンの岡田元也社長は「イオンは全国6地域で地域ごとにSM子会社を経営統合、本格的な地域会社化を進めてさらに分権志向を強める。中四国でもグループSM3社を一本化する。最終的にはそこにフジが加わって、全体を尾﨑会長に束ねていただきたい」と語り、イオンの新たな中四国会社へのフジの合流と尾﨑氏のトップ就任にラブコールを送った。

 フジはイズミヤとユニーと商品開発連合を組んで3社共同開発のPB「スタイルワン」「プライムワン」を展開しているが、フジの尾﨑会長は「この流れは続けていく」と継続の意思を示した。またイオンとの出店調整についても「調整する気はない。今まで通り切磋琢磨(せっさたくま)していく」と話した。