イオンの岡田元也社長(10日、東京・日本橋)。

 イオンはスーパーマーケット(SM)事業を再編する。首都圏を除く6地域の主要14社を地域ごとに経営統合し、2020年3月までに6社に集約。地域ごとに営業収益5000億円、キャッシュフロー200億円規模を有する企業体に育て、継続的な成長投資を可能にする。これによって従来の物流センターやプロセスセンターを地域SMごとに専用化、最適規模化することなどへの投資を進め、「新たな事業モデルに変革する」(藤田元宏イオン執行役SM事業担当)。これら6社で25年に営業収益3兆1000億円(17年度比30%増)、営業利益1100億円(同180%増)を目指す。

 同社は20年に営業収益10兆円、営業利益3400億円を目指したグループ中期経営計画を昨年12月に発表。具体的な取り組みとして①SM改革、②GMS(総合スーパー)改革、③デジタル改革――を掲げている。今回のSM事業の経営統合はその具現化の第1弾。

20年までに主要14社を6社に集約

イオンの藤田元宏執行役SM事業担当。

 経営統合する6つの地域と主要会社は①北海道(イオン北海道、マックスバリュ北海道)、②東北(マックスバリュ東北、イオンリテール東北カンパニー)、③東海中部(マックスバリュ東海、マックスバリュ中部)、④近畿(ダイエー、光洋)、⑤中四国(マックスバリュ西日本、マルナカ、山陽マルナカ)、⑥九州(イオン九州、マックスバリュ九州、イオンストア九州)。19年3月の中四国を皮切りに、同9月に東海中部と九州、20年3月には北海道、東北、近畿で統合を完了する。

 経営統合の方法は吸収合併や新たに中間持ち株会社を設立し事業会社をぶら下げるなど地域ごとにさまざま。既に統合しているU.S.M.Hやいなげや、ベルクといった別ブランドのSM各社は対象外だ。

 売上高を単純合算すると、17年度のSM業界の売上高ランキングで上位10社のうち3社(首位のU.S.M.Hを含む)がイオングループ企業だったのが、この統合によって6社と過半を握ることになる。

 イオンは中期計画で掲げたGMS改革では、食品以外の衣料品、住居関連品は分離し、商品分野ごとに専門会社を設立する方針を表明している。SM各社を地域ごとに集約するまでにこれら商品分野の分社化が実施される可能性がある。関東に79店を持つダイエーの扱いも今後決められる。

 10日の決算記者会見でイオンの岡田元也社長は「統合の目的はその地域で最も成長できる企業になることだ。次の新しい成長の形を見つけなければならない。これまで以上に『地域』の持つ意味を考えて、お客のニーズに応えられなくなりつつある伝統的なSMに打ち勝って(イオンのSMに)置き換えて成長していく。『とにかく急げ』『問題が起きても、とにかく逃げるな』と社内で言っている」と語った。