厚生労働省のデータによれば、平成26年時点で専業主婦世帯は687万世帯、1114万世帯が共働き世帯と発表されています。数値は昭和55年時点とほぼ逆転、女性の社会進出や雇用形態の変化、少子高齢化など複合的な要因で、共働き世帯の割合は今後も増加していくと推察されます。

 この連載では実際に共働きしている家族を料理・買物・生活という切り口で取り上げ、どんな日常を送っているのかショートエピソード形式で毎週お届けします。

第14話 全てに全力投球の妻・一江の目線

 私たち夫婦は食べることがきっかけで知り合ったため、食への情熱が高い。

 そのため、休日には夫と愛犬2匹を連れてグルメドライブに出掛けるのが定番だ。時間が経ってしなしなの野菜しか残っていない帰宅時間のスーパーマーケットに寄ると悲しくなるが、道の駅や農産物の直売所には、新鮮で見たこともない野菜が良心的な価格で並んでいてワクワクする。

 気になるパン屋さんや食べ物関連イベントに訪れては、来週の自分たちに向けてたくさんのお土産を買い込む。冷蔵庫をのぞくと、週末の楽しい時間が続いているようでとてもうれしくなる。

 レジャーに犬を連れて行くと、残念なことだが宿泊や食事をする場所が限られてくるのは事実だ。排せつや鳴き声、衛生面の問題から、ペットOKの飲食店や施設はガクッと減る。

 それでも私たちにとって犬は家族で子供同然なので、留守番という選択肢はあり得ない。むしろ犬を中心にレジャーを決めるため、ホテルには泊まらずキャンプや車中泊を行うようになったほどだ。普段仕事で忙しくて一緒に過ごす時間が少ない分、休日はずっと犬と一緒にいたいと思っている。

 また「毎日違うごはんの方が楽しいだろう」というのと、アレルギーという理由で犬には手作りフードをずっと与えているが、なかなか彼らに合う食事を見つけるのは難しい。市販のドライフードも併用しているが、アレルギー用のものは市場に出回っている数自体が少なく、ようやく見つけても製造中止になってしまうこともある。

 特に旅行先ではおいしい食事を家族全員で楽しみたいが、手作りや特別食の対応ができずにドライフードで我慢させてしまうこともあり、申し訳なく思っている。多様性のある社会には、人間だけでなくペットも含めてくれたら、と愛犬家としては切に願っている。

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 平日は朝8時に家を出てから必死に仕事をして、合間の昼休みにレシピサイトでメニューを検索して夕飯の献立を決めている。20~21時に帰宅してからは、既に帰宅しているか自宅作業中の夫と愛犬のために、食事の用意に取り掛かる。

 夫に要望されたわけではない。むしろ彼は家事を手伝おうとしてくれるのだが、自分が「やらなければ」と思ってしまうのは、育った家庭環境が原因のように思う。

 専業主婦だった母は、いつでも家族優先だった。IT企業で新事業開発とシステム開発を並行して行っている私と母ではそもそも生活が全く違うはずだが、気付くと自分であれもこれもと背負ってしまっている。

 晩御飯にお惣菜を買うことだって、夫が家事を手伝うことだって、誰にも非難されていない。ただ幼かった私の目に映っている家族優先の母親像が、無意識に強く影響を与えているのかもしれない。

 結果、晩酌している夫と残された洗い物を置いて力尽き、テレビの前で倒れるように眠ってしまう。朝からぶっ通しで活動していると、いつも時間に追われている気がしていて正直少し滅入っていた。

 ただ自分の部屋で1人で過ごす時間を作ってからは、1人になりたいという辛い気持ちがなくなった。自然と2匹の愛犬も空気を察してか、夫と私、それぞれのいる部屋に1匹ずつついて来てくれる。

 一人(+犬)になる時間を意識的に作ることでリフレッシュできて、明日からも頑張ろう、という気力が湧いてくる。

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>第15話 毎晩終電帰りの夫・克哉の目線

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