シェアは広がり、大きな波になる

 有名人でなくても自分と属性の似た人、年齢や住んでいる地域、趣味や考え方の近しい人が何を選び、何を買っているか、私たちは広く見ることができるようになりました。自分と似た価値観の人を探すのは容易になり、そういった人たちが選ぶものは当然ながら自分も欲しいものが多くなります。

 店側に「○○を見て買いました」と丁寧に報告してくれる人は、現状では少ないかもしれません。ただ、1つの肯定的な意見が自分たちの知らないところで何人もの潜在顧客にPRしてくれているという事例は、確実に増えてきています。

 悪評には悪評が、良い意見には良い意見が集まる、というのが私が4月からこの連載を始めてぼんやりと感じている変化です。ポジティブな気持ちで行われる「応援消費」は、集まるお客さまも良い方を連れてきてくれるように感じています。

 良い店であることが、良い消費者を呼び寄せる流れが以前より強まっているように思うのです。

店側も元気をもらうことができる

 さらに「応援消費」の良いところは、人や企業・地域側にもメリットがある点です。通常の消費では、お客さまのお金とサービスや商品が交換関係にあります。そのため、店側がお礼を言われる機会はとても少なく、感謝されるまでの商品・サービスを提供するためには高度な技術が要求されます。

 応援はする側もされる側も、誰にとっても悪い気はしません。ネット上のサイトやSNSで「応援消費」が成されていれば、応援された側の人や企業・地域もうれしくなり、より普段の商品提案やサービスにやる気が出てくるのではないでしょうか。それを見てまた別の人が興味を持ち、好感を抱き、新しい消費につながる、というきっかけが生まれてきているように感じます。

 全ての消費には必ず理由があります。私たちは、「応援消費」をどれくらい味方に付けられているでしょうか? 広告や安売りでは差別化がしにくくなっている中、応援されるような存在になることが、結局は一番の近道なのかもしれません。