ビール類や酎ハイならいいのだが、スーパーマーケット(SM)の酒売場に行っても買うワイン選びに困るという人、意外に多いのではないだろうか(これは日本酒や焼酎にもいえる)。

それはSMのワイン売場に魅力が乏しいから。では、どうすればその魅力を高められるか、その手法を内藤邦夫さん(カーブ・ド・リラックス代表取締役社長)に解説してもらった。

 ワインのMDの第1ステップは、プライシングのポリシーを明確にし、上限と下限、ボリュームゾーンの価格を決めることだ。エリア特性を踏まえ、どの層のお客をターゲットにして、どんなものを売り込みたいのかを考える。

 100~150SKUの売場であれば、価格を抑えた日常のワインが中心になり、売れ筋は国産の低価格のワインや500円前後のチリワイン、その上に1000円くらいのフランスワインやメーカーのお薦めワインという構成になる。いわば、「軽自動車」販売の感覚だ。

 150~200SKUになると、「小型自動車」にランクアップできる。ボリュームゾーンとして、チリやラングドック(南仏)などの800~1000円くらいのワインを100SKUくらい入れて、そこで選べる状態にする。デイリーユースのワインは、予算が先にあり、その中で選ぶ楽しさを作ることが重要だからだ。その上の価格帯として1500~2000円未満のワインを2割程度、2000~2500円のワインを1割程度。そして、下限の500円以下のワインを1割、アッパーエンドの見せワインを10~15SKUくらい置く。

 大事なのは価格帯で考えることだ。ワインは、価格が100円違っても、イチゴなどのようにクオリティの違いが分からないので、100円刻みなどで価格を満遍なくそろえようとすると中途半端な品揃えになる。産地などのバランスも考えなくてよい。プライシングにより、自ずとばらけるからだ。

 自店で選ぶのが難しければ、プライシングを明確にした上で、信頼できる、まじめなベンダーのアドバイスを受けるのもいいだろう。

 第2ステップは、同じ価格帯の中での多様性を考えることだ。最初はベンダー任せでも、ある程度実績を積んできたら、自店でPOSデータを分析して、売れているワインを抽出し、ベンダーに同じ価格帯で他のエリアや他のブドウ品種のコスパが高いワインを頼む。インポーターの試飲会や、ワインを売っている店に見学に行くのもお勧めだ。勉強になるだけでなく、情報収集もできる。「次はこれが来そう」と感じたら、いち早く導入してみるのもいい。ちなみに、私は今、ポルトガルのワインに注目している。

 帯が充実すると、売場の印象が大きく変わるので、第3ステップとして催事を考える。効果的なのは、アイランドやワゴンを使ったセールだ。売りたいワインを何アイテムか定番から持ってきて、期間限定で10~20%値引きして売ってみる。荒利益率40%で値付けをしていれば、値引きしても十分利益がとれる。このとき、定番にも商品を残しておき、売れなければ戻せるようにしておくことがポイント。これをローテーションで行えば、売場に動きが出てくる。

 こうして、段々と面白い売場になっていく。ただし、ここまで来るのに約1年は要すると考えてほしい。