ゴルフボールはなぜ遠くまで飛ぶのか? 

 それにはいろいろな要素があるのに、ほとんどのゴルファーはヘッドスピードで飛ばそうと思い込んでいます。それはドライバーを飛ばしたいという気持ちとストレートに結び付くのがヘッドスピードだから。しかし、その結果、力み、手打ちが生じてしまいます。

 でも、考えてみてください。女子プロはヘッドスピードが40m/秒なのにドライバーは240ヤード飛んでいます。それはなぜでしょう?

 そこで、私はヘッドスピード以外の要素に興味を持ち、ゴルフボールを遠くに飛ばす要因を見つけたいと考えました。

 実は経営の現場でもこうした場面を多く見掛けます。思い込みが邪魔していることがたくさんあるのです。

ボールが飛ぶ要素とその関係をひもとく

 このテーマは大変、奥が深いです。飛距離はヘッドスピード、ボール初速、回転数、打ち出し角度の4つ要素の掛け算で決まってきます。

 ヘッドスピードは筋力、稼働域、クラブの重量が大きく影響を与えます。ヘッドスピードへの好影響は体力、体格、センスがものをいうのです。

 一方、ボール初速はスイングの正確性、言い換えればミート率が、回転数はヘッドのボールへの当たり方とヘッドの重心位置が、打ち出し角度はロフトと当たり方が影響します。

 これらの要素を具体的に考えるために、ドライバーショットのモデルを提示して分析してみます。

 

 女子プロはヘッドスピード40m/秒で飛距離240ヤード、男子アマはヘッドスピード40m/秒と同じですが、200ヤードしか飛ばない場合で考えます。

 まず大きな違いは女子プロがボール初速60m/秒なのに対し、男子アマは52m/秒(ミート率を計算するとプロ1.5に対し、アマ1.3)であること。スイングスピードパワーの伝達効率の悪さが飛距離に影響を与えているわけです。

 また、回転数はプロ2000/分に対し、アマ3000/分で1.5倍、打ち出し角度も高いため、吹き上がりが発生し、アマは飛距離を落としてしまうのです。

 これがアマの典型的な現象で、これを見ると、ヘッドスピードにこだわるよりも、ボール初速、回転数、打ち出し角度の改善を優先させた方がよいと分かるでしょう。

 では、ここからは、この3つの要素ごとに考えていきます。