ある程度、料金が安いとキャリアを移動しない

 ここで、携帯通信料金を比較してみたい。

 日本の3大キャリアの携帯料金について、菅義偉官房長官が「4割程度下げる余地あり」との発言まで飛び出たことは話題となった。総務省が9月19日に「2017年度の携帯電話の通信サービス料金の国際比較の調査」について発表し、記事を読んだ読者の方も多いだろう。

 実はこの調査の中に以下のような項目も紹介されている。「シェア1位の事業者の料金による比較(通信料金と端末割賦代金が一体 となった料金プラン)」で、iPhone8(64GB)で比較している。

 これによると、データプランが5GBの場合、東京8507円、ニューヨーク9109円、パリ5732円となっている。20GBになると東京9587円、ニューヨークは1万1248円、パリは7076円なので、いずれも少し高めという感じだ。

こちらは中古ではなく新しいスマホ。旧作も売られているので日本よりも選択肢がある

 この料金比較に香港はないが、例えば、csl.の場合、アンドロイドのスマートフォンの場合は、5GBでみると、スマートフォンも一緒に購入ならば298ドル(4236円)、SIMカードだけであれば158ドル(2293円)という料金設定。

 iPhoneの場合は既に端末を持っている、持っていないにもかかわらず5GBで298香港ドル(4236円)のみのプランとなっている。

 この値段なら読者の方もリーズナブルと感じるのではないかと思う。香港にはナンバーポータービリティの概念がないと書いたが、経済的に多大な負担になっていないこともあり、頻繁にキャリアを移動しているという印象はない(筆者も17年間で前述の1回のみ)。

 これは、1つのことを暗示しているのではないか……。つまり、携帯料金が家計に大きな負担にならなければ使用者は、かえって同じMNOを使い続ける確率が高いということだ。日本のMNOもその辺を考えたビジネスモデルを模索してもいいのではないかと思う。