厚生労働省のデータによれば、平成26年時点で専業主婦世帯は687万世帯、1114万世帯が共働き世帯と発表されています。数値は昭和55年時点とほぼ逆転、女性の社会進出や雇用形態の変化、少子高齢化など複合的な要因で、共働き世帯の割合は今後も増加していくと推察されます。

 この連載では実際に共働きしている家族を料理・買物・生活という切り口で取り上げ、どんな日常を送っているのかショートエピソード形式で毎週お届けします。

第13話 webメディアディレクターの夫・晃弘の目線

 パチッ。

 朝5時。私の朝は、ノートPCを開くことから始まる。昨日予約投稿した記事が、無事に公開されているかどうかをチェックするためだ。

 全ての記事が無事にアップされていることを確認したら、次は読者の反応を見る。サイトオープン時は反響を出すために自ら全記事をクリックしたものだ。アクセス数を見ては一喜一憂していたが、最近は前日の記事PV数を記録して読まれる傾向をつかめるようにもなってきた。

 配信時間、タイムリーさ、ページ構成、写真配置、そして内容。他のメディアとかぶりはないか? 脳みそをフル回転させ、ついついのめり込んでいると、ワンコが鳴き出す。

 愛犬2匹を早朝散歩に連れ出してから、ようやく朝食を取る。

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 平日のスケジュールはその日によって変わるが、大きく分けると2パターンだ。外に出る活動日と、中へこもる作業日。

 外へ出掛ける活動日は、取材やメディア担当者、著者との打ち合わせと称した飲み会であちこち飛び回る。元気なキャラで、表情も豊か。会った人には明るい人に見えるだろう。隙間時間でカフェに飛び込み、記事の投稿や反応の確認にSNS更新、原稿の進捗状況リマインドや確認電話をこなす。

 今日のように中へこもる作業日は、大抵地味なものだ。妻が仕事に出掛けるとすぐにPCを開いて、記事の仕込みや取材原稿の確認、そしてひたすら記事投稿をする。読者へ向けてメルマガの執筆、部下の記事内容についてのアドバイスや事実チェック、会議に向けて社内用の数字推移資料の作成、溜めがちな経費精算。ふと鏡にうつる部屋着の自分の表情は暗く、一所懸命に働けば働くほど、気持ちが沈み込んでいくような気がする。

 本来はリモートワークが認められている職場ではないが、作業日には寝る時間の捻出のために、特別に社長に認めてもらい、会社までの移動時間を仕事にあてさせてもらっている。担当しているサイトが毎日記事を更新していることもあり、月間PV数は当初の目標を大幅に上回ってそれなりの数字を推移している。

 数字が好調とはいえ、それで世論が動かせるほどまだ大きなメディアではないが、やりがいはある。ただ常に年中無休で営業中のインターネットに接続していると、40代半ばという年齢のせいか休みを取る必要も強く感じるようになっている。

 地道な力技の積み重ねと気力で、ここまでやってきたのが本音だ。

 感傷に浸りながら、PCデスクから離れて作る昼食は、調理に時間を取られたくないので買ってきた冷凍ギョウザを焼くことが多い。スキレットを使ってそのまま机に置いて食べれば、洗い物が減って楽になる。

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 イベントで休日出勤を行った取材の帰り、ペットのトリミングを終えた妻が車で迎えに来てくれた。

 お互い仕事が忙しいので、休日はできるだけ2人と犬2匹で過ごす。食が共通の趣味でおいしいものに目のない私たちは、休日になれば道の駅やペット連れの宿を探してはどこへでも出掛けていく。ペットOKの宿はどうしても選択肢が狭まるが、大事な家族なので家でお留守番という選択肢はあり得ない。家でゴロゴロというのも、2人とも相に合わない。

 私よりも年上の妻はグルメの知識も豊富で、天性のマーケッターとあって流行りものに飛び付くのも早い。妻から教えられた流行はたくさんある。

 職業柄な面も大きいが、仕事内容に、食はとても影響されていると思う。

 今の仕事の担当になって、きちんとした料理をつくることが減った。忙しいときは、簡単につくれて、仕事をしながら食べられ、自分が好きなものになる。そうしたものは大抵栄養バランスが偏っているから、野菜や温かいおかずが恋しかったりする。

 そういえば、昔は「趣味は料理、おいしい飲食店探し」と言っていたのだっけ。ゆっくり時間が取れるなら、昔のようにいろいろと作ってみたいし、外食もしたい。最近では夜にはヘトヘトになるので、夕食は自宅ということが増えた。調理は帰宅したばかりの妻にしてもらうことがほとんどで、食事の前の「いただきます」を言うたびに、いつも心の中で申し訳なく思っている。

 昔は全く思わなかった「田舎暮らし」にも憧れるようになった。いつからか、休日に行く場所ものんびりできる海や山になっている。動きが激しいwebの世界で仕事をすればするほど、その真逆のものを求めるのは、どんな心理だろう。今度、取材をしてみたい。

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>第14話 全てに全力投球の妻・一江の目線

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