従業員が描いたデザイン、撮影した写真、執筆した記事なども著作物となり、著作権が発生します。

 それでは、会社は、これらの著作物をコピーして他の店舗などで広く利用することはできるのでしょうか? ホームページやチラシに転載することはどうでしょう?

 これは要するに、「従業員が作成した著作物の著作権が誰に帰属するのか」という問題です。

「職務著作」とは?

 著作権は「著作者」に帰属することとされています(著作権法17条1項)

 本来であれば、「著作者」となるのは、その著作物を実際に作り、描き、撮影し、執筆した人です。

 そうすると、従業員の作成した著作物の著作権は、その従業員に帰属するということになりそうです。

 しかし、これには例外規定があり、従業員が作った著作物の著作者がその従業員ではなく、会社になる場合があります。

 これが「職務著作」と呼ばれるものです(著作権法15条1項)

どのような場合に職務著作となるのか? 職務著作の5つの要件

「職務著作」となるための要件は、次の5つです。

 1 会社の発意に基づくこと

 2 会社の業務に従事する者が作成するものであること

 3 その著作物が職務上作成されるものであること

 4 会社の名義で公表されるものであること

 5 作成時の契約、就業規則等に別段の定めがないこと

 これらの5つの要件を満たす場合には、実際に著作物を作った従業員ではなく、会社が「著作者」となります。

 それぞれの要件について、詳しくみていきましょう。