食事のバランスが大切。主食、主菜、副菜をそろえた食事例/主食:ご飯、パン、麺 主菜:肉、魚、大豆、卵 副菜: 野菜、海藻、キノコ、芋

 皆さんは「PMS」をご存じでしょうか。月経トラブルの一つ、月経前症候群(Premenstrual Syndrome;PMS)は働く女性の生活場面、例えば、対人関係や家庭生活、仕事などに少なからず影響を与えています。PMSによる心身の不調については、さまざまな症状が挙げられますが、人によって組み合わせが異なります。内容によっては、就労中にミスを起こしやすくなることが明らかにされています。

 筆者はここ数年、働く女性のPMSと食生活についての研究にいそしんできました。今回は仕事に与える影響やその背景、職場環境の現状などについて報告し、ショップスタッフの生活習慣、食生活の特徴から健康づくりを提案したいと思います。

PMSとはどんな症状か 仕事への影響は

 PMSは、女性ホルモンのアンバランスによって起こる心と体のトラブルともいわれています。月経開始1~2週間前に感じ、月経開始後に改善する、軽減する症状を示します。

 具体的な症状には、「頭痛、下腹部痛、むくみ、いらいら、集中力低下、便秘、胸の張り、肩凝り、食欲増加、冷え、腰痛、だるさなど」があります。看護師を対象にした筆者の調査と研究では、87.6%の女性がPMSを自覚し、上記のPMS症状12項目のうち、平均で5~6項目保有していることが明らかになりました。また、これらが複合する症状を抱えた女性は、「仕事の質の低下」「効率性の低下」が明らかで、中には「生産性が上がらない」「感情的になる」「ミスを起こしやすい」といった具体的な影響を挙げる女性もいました。

 このような状況について、「職場の上司に伝えたことがある」と回答した人はわずか4.9%にすぎません。「我慢できる」「しょうがない」の他には、「言っても何も変わらない」「解決しない」「タイミングがない」「伝える時間がない」というつらい症状を抱えながらも、仕事に取り組む実像が浮かび上がってきました。

食習慣とPMSは関係があるか

 筆者の調査によると、30代よりは20代と年齢が低い人、「仕事のストレスがある」と回答した人は、PMSを感じやすい傾向が見られました。

 また食習慣でも、PMSのリスクが低い人に比べ、リスクを上げる食習慣が見られました。具体的には、①薄味を意識していない、②主食・主菜・副菜をそろえた食事を取る回数が少ない、③糖分が入った飲み物やコーヒーの摂取回数が多いという結果です。

 また筆者が関わった別の調査では、働く女性の食生活では、「食事を抜くことがある」「おなかいっぱいまで食べる」傾向が見られました。食事内容の面では、惣菜や菓子類を高頻度で食べる人にPMSを感じる傾向が見られました。

 最後に、筆者は研究途中ですが、今後もさまざまな職種の働く女性のPMSと食習慣の調査を続ける予定です。読者の皆さん、そして職場の同僚、後輩などの健康づくりに役立てていただければ幸いです。

 

※本記事は『ファッション販売』2018年11月号に掲載されたものです。内容は取材当時のものです。

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