本当に「お試し」の機会となっている?

 試着は、自分に似合っているか、イメージ通りの丈感か、などチェックする大切な「お試し」の機会です。そして違う商品への出会いのきっかけにもなり得ます。試食も同じです。

 いくら無料でも、焦ってお試ししたり、試している間中、いろいろセールストークを横でされてしまうと、お試しに集中できない時間が増えて、本来の「お試し」の意味が薄れてしまうように思うのです。

 漬物店でも、1種類だけ大量に袋詰めされて販売されていたら、いくらお得でも「そればかり食べることになって、飽きてしまうから……」と買いにくい人もいるでしょう。いろいろなものをちょっとずつ食べられるお試しセットなら買いたいというお客さまもいます。

 商品やサービスは、外に出ていなければ選ぶことができません。新しいサービスを作るためのコストや手間はもちろんかかるでしょうが、数量限定でそれこそ反応を見ながらお試しで始めてみてもいいと思うのです。

 消費は生活を良くするためのものですし、お試しは本来なら楽しく良い気分になるための行為のはずです。購入には接客や商品自体の良さ、価格など多くの要素が関わってきますが、その前段階の「試す」というハードルはできるだけ低く、より多くの人に試してもらうべきです。

ウミガメごはんも1カップ100円。気軽に払える値段設定の上、どのエサも2、3個で、すぐにあげ終わってしまうため、「もう100円払おうかな」という気持ちにもなりやすい


 そしてお金を払う行為に対して、今の消費者は商品そのものが欲しいという気持ち以外にも、より「なぜ払うのか」「何に対して払うのか」と消費の意味を求めているように感じています。

「タダほど高いものはない」ということに、お客さまは気付き始めています。無料でも、不要なものなら受け取りたくないというお客さまは多いです。それなら、スタッフの手間賃やサービス料をお客さまに少しだけ負担していただいて、その代わりに本当に欲しいものをちょっぴり提供するという工夫があってもいいのではないでしょうか?

 桂浜水族館の「ふれあいイベント」は大人気で、多くのお客さまが次々と楽しそうにお金を払っていました。あちこちで気軽にちょこっと消費を楽しむ光景は、すごく活気にあふれていました。