「おいしい生米麺」でアジア市場を展望する

 ちなみに、この生米麺はつなぎに小麦ではなくでんぷんを使用しアレルゲンフリーであるために小麦アレルギーの人も安心して摂取できる。この生米麺はMWの一部のタイ料理店やタイフェスティバルで試験的に提供をしていったが、たちまちにして高い評判を得るようになった。

 この生米麺の高いクオリティは市場を広げるものと確信を持ったMWFは「もっとおいしい米麺ができると日本だけではなくアジア市場に広がっていくはず」と考えた。

 そして、これまで使用していたタイ製の製麺機械に対し1.5倍の生産能力がある日本国内で製造した製麺設備を導入し、2017年11月より本格稼働させた。こうして生米麺の製造能力は従来の約2.5倍となった。

 

 同時に越のかおりの作付け量が年々増えていった。2015年の越のかおりの作付け量が20tであったのに対し、2017年は220tとなった。生産者にはMWで生米麺を提供しているレストランで食事をしていただき、「このような場所で自分たちがつくったものが食べられているのだ」と実感してもらった。

 生米麺の製造量が飛躍的に伸びている要因は、外販を行うようになったことが挙げられる。現在、生米麺の卸先はMWのタイレストラン「マンゴツリー」21店舗の他、株式会社シマダハウスの「COMPHO」(コムフォー)11店舗をはじめとした一般の飲食店にも広がっている。

 つまり、既存のタイ料理店、ベトナム料理店などフォーを提供する店では、クオリティの高い生米麺を求めていたということだ。さらに、食品会社への業務販売も行うようになった。

 

 熊谷氏はこのように語る。

「米の作付け量が増えることによって、農業を継ぐことから離れていた若い世代が戻ってくることでしょう。工場の稼働が上がるとこれから就労する人が増えて活性化していくものと思います。日本の農業が活性化し、良い製品が外食産業で提供されて活性化し、また食の多様性や食の制限に対応することになり、クオリティの高い生米麺は日本経済の中によいサイクルをもたらすことになるでしょう」