水をはじき食べ物の汚れも染み込まない、紙やプラスチックに変わる革命的新素材として注目を集める「LIMEX(ライメックス)」。飲食店のメニュー表やPOPなどに適したLIMEXは、石灰石が主原料で、撥水性、耐水性、耐久性に富むだけでなく、エコノミーでエコロジーな環境に優しい素材でもある。

回転寿司の人気チェーン「スシロー」(株式会社あきんどスシロー)は、2017年6月、全店(当時の店舗数463店舗)にLIMEX使用のメニュー表を導入した。

資源枯渇問題に貢献するLIMEXに世界が注目

 LIMEXは製造時に木を使わず水消費を約98%削減できるなど、資源の枯渇問題に貢献できる新素材だ。

 2013年には経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」に採択。また、米国シリコンバレーでベンチャー企業を育成する3大アクセレーターの1つであるPlug and Playで初の、年間を通して「世の中に最も社会的影響を与える企業-ソーシャルインパクトアワード」を受賞するなど、世界的に注目されている。2017年10月には公益財団法人日本デザイン振興会が主催するGOOD DESIGN賞(ベスト100)も受賞した。

メニューブックからメニュー表への変更に際し素材選びが課題に

スシローは回転寿司業界の最大手で、1日の来店客数は約36万人にも及ぶ。

 LIMEX製のメニュー表採用に踏み切った回転寿司業界最大手のスシローは、2017年9月28日の島根県への出店で全都道府県への進出を果たした。1日の来店者数は平均約36万人に及び、週末ともなれば終日ウェイティングがかかる。
 創業以来「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」という理念を貫いており、それがお客さまの支持につながっている。

 メニューはグランドメニューと3カ月単位で変える季節の定番の他、イベントメニューやキャンペーンメニューがある。各テーブルに置かれたグランドメニューと、季節の定番を一覧できる三つ折りのメニュー表がLIMEXで作ったものだ。

LIMEXで制作した3つ折りメニュー表。グランドメニューと季節の限定メニューが並ぶ。

 「最低月2回は差し替えていたので、作業に手間と時間がかかり、スタッフの負担になっていました。また、表紙に醤油や水をこぼしてシミがつくこともあり、1年半から2年での定期的な本体交換の他、汚れや破損の都度交換していましたが、ブックタイプは本体が高額でコスト的な問題もありました」と同社。このメニュー表を採用する以前は、厚紙の表紙の中の透明フィルムフォルダーに、メニューを印刷した紙を差し込んだブック形式のメニューを使用。必要に応じてフォルダー内の紙のメニューを差し替えていた。

 コストと手間を考えて、1枚の紙にメニューを印刷したメニュー表への変更を考え始めたが、どのような素材を採用するかが課題となった。先に記したように、来店客数が多いことに加え、精算時に皿数で金額を計算する回転寿司の特性上、お客さまが退席するまでバッシングできず、メニュー表の上に皿を重ねるお客さまもいる。汚れにくく、耐久性がある素材であることが必須であった。