画一的な市場に風穴を開けられるか?

 3月17日、この連載で書いた「90年代ファッションはブランド主義の復活でもある!」でも示した通り、今シーズンもさまざまなブランドが主要セレクトショップ等で取り扱われている。

 懐かしのスポーツ、アスレチック、ジーンズ、アウトドアブランドが居並ぶ中でも、特に異彩を放っていたのはアニエス・ベーだろうか。

 現存ブランドに対して懐かしいとは、失礼かもしれないがアニエス登場の80年代のアーカイブデザインは新鮮に映る。ブランドカラーのモノトーンも、カラフル化されている市場に対してのアンチテーゼとして面白い存在だ。

 ボックス・ロゴデザイン再燃のきっかけとなったシュプリームから、ブランド・サイン自体がファッションのデザイン要素となっている。こだわり抜いた素材やパターン、縫製テクニックよりも胸元のワンポイントが価値観。

 まぁ、言葉であれこれ説明する必要もなく、見た目に個性をアピールできる手っ取り早さが、これからの気分だろうか。最終的にトレンドの方向性を決定づけるのは生活者が決めることになる。

 時節、アーカイブコレクションの発表で注目を集めたポロ・ラルフローレン。

 そして先のバーバリーチェックとトラディショナルな動きを見せる市場の中で、今まで「国民服」とまで揶揄されてきた画一的なファッション市場に、風穴が開けられるのだろうか。このトラディショナルな動きは企業サイズにかかわらず、丹念な物作りを志向してきた老舗企業や、歴史あるブランドたちを再認識できる時代の始まりかもしれない。

 これがこの秋のメンズ売場を歩いてみた感想なのである。