自民党総裁選は安倍晋三首相の勝利で終わった。これから総裁任期3年以内で憲法改正論議、経済政策「アベノミクス」の柱である異次元の金融緩和を正常化する出口戦略に向けて取り組まれていくと思われる。世界経済の視点から米中貿易戦争の行方も気になる中、日米でも新たな貿易協議FFR(自由Free、公正Fair、相互的Reciprocalの頭文字をとった呼び名)が、9月25日に開かれた。日本の輸出企業にとって協議の動向が気になるところだが、今回は、来年の一大ネガティブ・イベント「消費税10%」について取り上げてみたい。

景気への影響に配慮した2つの取り組み

 2019年10月1日から導入予定の消費増税処置に向けて、景気に影響が出ないよう配慮された点が2つあるので簡単に確認しておきたい。

 まず1つ目は「経過処置」が設けられたという点。これは増税前の駆け込み需要や、増税後の景気の落ち込みを少しでも緩和させる狙いのもの。例えば2019年3月31日までに契約を締結していた工事の請負等は、引渡しが10月1日以降となっても消費税率は8%の据え置きのままでよいとする。

 そして、もう1つが「軽減税率」の適用だ。対象品目についてさまざまな議論を呼んだものの、以下の2品目に落ち着いた。

・酒類、外食を除く飲食品

・定期購読契約に基づく週2回以上発行される新聞

 テークアウトや宅配は8%でも、ケータリングやイートインは10%とコンビニや量販店、カフェ、飲食店等では混乱も予想される。帳簿の記載やレシート等でも区分けが必要となるため、それ相応の事務負担も考えておかなければならない。

 衣料品をはじめとしたファッション関連については、何かしらの処遇を受けることなく10月1日以降の買物から消費税は10%となる。そこで総務省発表の家計調査より、次のようなグラフをつくってみた。

 これは単身、2人以上の世帯をまとめた総世帯を対象とした1カ月当たりの消費支出額と、その支出に対してファッション関連の支出構成比を2000年から年次推移でまとめたものだ。

 

 2000年当初の1カ月当たりの消費支出額の28万1208円は、2014年の増税、景気後退の影響も受けて2017年には24万3456円と支出額は13.4%落ち込んでいる。年々家計の財布のひもが厳しくなる中で、ファッション関連による支出構成比は5.1%から3.7%とさらに落ち込んでいるのが現状なのだ。

 年間収入についても、2002年からの調査結果となるが年平均587万円が510万円と13.1%の落ち込み。ここに株高・円安・低金利を背景にした「デフレ脱却」「賃上げアップ」の掛け声と裏腹に、好況さを感じ取れない1つの理由があるのかもしれない。