カー用品市場の勢力図が変わろうとしている。

 自動車離れ、カーシェアの普及もあって、自動車の国内販売台数は長期的には減少傾向が止まっていない。それに伴うカー用品市場も矢野経済研究所によれば2015年度 1兆1173億円(14年度比99.2%)となっている。

 同市場の主な企業は営業収益(いずれも2018年3月期)順にオートバックスセブン(2116億円)、イエローハット(1378億円)。2社で市場の3割超を占める形になる。この2社も主力商品であるタイヤの冬季の需要増などの季節要因で一時的な伸びは見られるものの長期的には営業の伸びのピークは既に超えたと思われる。

独自の査定システムでユニークな売場づくり

 こうした中で“中古カー用品”という特異な市場で存在感を出しているのが「アップガレージ」である。首都圏中心に北海道から九州まで中古カー用品専門店(一部バイク用品も含む)約160店舗を展開する。

 同社によれば直近3年間の営業収益も171億円(15年度)、176億円(16年度)、184億円(17年度)と堅調に伸びているようだ。

 同社は1998年中古カー&バイク用品店として創業、翌99年には現社名である「アップガレージ」1号店を町田に開設。その後、フランチャイズチェーン(FC)方式を取り入れ、全国に店舗網を築いた。

 同社の旗艦店でもある町田店を見ると、店内にはステアリング、スポイラー、フェンダーなどの内外装用からブレーキパッド、サスペンションの駆動系、さらにプラグ、ボルト1本まで大中小のあらゆる中古パーツがカテゴリーごとに品揃えされている。まるごとエンジンなどジャンク品のようなものまで置いてあるなど宝探しを思わせる売場である。

 同社の特徴はこれらの売場に並ぶ商品の買取時における査定の仕組みにある。

 同社は当時社長であった石田誠氏(現在は同社はじめグループ会社を統括するクルーバーホールディングス社長を務める)が創業直後から、店舗運営マニュアルの整備、レジ連動の査定システムの開発・導入を進めていた。特に後者はパーツ記載のメーカー名、商品名、型番などを入力することで価格を弾き出し、適正仕入れにつなげるというもの。一般的な流通価格が認知されている書籍やアパレル関連と異なり、算定が困難なカー用品を扱いながらも、当時からFC展開を意識した運営や仕入れの標準化を進めていたのである。

 同社は非上場のため、詳細な収益性は開示されていないが、こうした仕組みづくりが基盤となっていたこと、また自動車ユーザーにも中古パーツに対する抵抗感が薄れたことが成長要因と思われる。

迫るメルカリ 対策はドライブゲーム?

 しかし、中古カー用品市場にも新たな競合が迫る。

 メルカリの進出である。ユーザーへの中古パーツの広がりはフリマアプリの商材にもなり得る。レディース関連カテゴリーのフリマを主力に成長してきた同社も最近では「ホビー」「エンタメ」「スポーツ」などカテゴリーの拡大を続けており、最新のIR資料内では「カー用品」も強化カテゴリーに挙がっている。

 こうした見えない競合は今後の脅威となり得るが、アップガレージでもリアル店舗ならではの特徴を出すための取り組みを講じている。先述の南町田店では店内にレストスペースを設け、関連ホビー本の常設、アーケード用のドライブゲームの開放などで滞店客の満足度を高めようとしている。こうした取り組みは同店の中心ターゲットである男性客だけでなく、子供、女性を含む家族連れにとっても入店のハードルが下がるだろう。同社では他店舗にも同様の改装を施すことで来店客層の拡大を図る。