イラスト/永谷せん

ヒトの心は不思議がいっぱい。それを探るのが心理学。心理学は実践の科学です。実際に使えば理解も早いし応用も利くようになります。ご紹介する心理テクニックは現場で役立つことばかり。ぜひ使って販売力をUPさせましょう。

 いつだったか、ある方に、「自分の誕生曜日を知っていますか?」と聞かれたことがあります。

 曜日までは知らなかったので首を横に振ると、その方はモバイルパソコンを開き、ネットでさっそく誕生曜日を調べてくれました。

 すると、すぐに私の誕生曜日は月曜日だと判明。「これで月曜日もちょっとパッピーになれますね」その方はそう言ってニッコリ。

 なるほど、週の始まりの月曜日は何だか気が重いものです。だけど、誕生曜日となれば別。朝からいい気分になれる。これはいいことを教わったなとうれしくなりましたし、こういうことをさりげなく教えてくれる人こそ『メンター』と呼ぶにふさわしいんだろうなと実感したものです。

 メンターとは、「人生の先達」「よき助言者」といった意味で、ギリシャ神話に登場する賢者メントールを語源とする言葉です。

 仕事やキャリア、人生の先達として“お手本”となり、あなたの味方になってくれる人、それがメンター。

 人生という長い旅路の中で、優れたメンターとの出会いは、あなたにとってかけがえのない財産になります。

 財産になるような人ですから、メンターは誰でもいいというわけにはいきません。

 あなたにさまざまな影響を与えるだけの人間的魅力があり、知識や経験が豊富で、お互いに信頼関係を築ける存在である必要があるからです。相性のよさも鍵になるでしょう。

 もちろん、自分が選ぶばかりでなく、あなたもメンターから選ばれるだけの資質を備えておく必要があります。

 その資質とは、メンターの前では素直に心を開くことができる。そして、相手の助言を真摯に受け取り、それを実行する意欲があることです。

 さて、あなたには心を許せるメンターはいるでしょうか。もしまだ見当たらないのであれば、できるだけ出会いの機会を見つけ、これぞという人に積極的に相談を持ちかけましょう。メンターの資質を備えた人ならきっと応えてくれるはずですから。

「迷惑なのでは?」

 いえいえ、人には誰かを助けてあげたいという『援助欲求』があります。また、人から必要な人間だと思われたいという『賞賛・承認の欲求』もあります。だから、頼られるとうれしいのです。逆の立場ならあなたもそう思いますよね。

 逆の立場、そう、あなただってメンターになれるのです。特に、お客さまに対しては、よきメンターになる必要があります。“よき助言者”としてお客さまの疑問や悩みをくみ取り、的確なアドバイスをするのはメンターであるあなたの役目です。

 メンターになる第一歩は話しかけやすい雰囲気づくりをしてお客さまから信頼を得ること。

 試しにあなたも、お客さまがご自分の誕生曜日をご存じかどうか、聞いてみることから始めてみませんか。