厚生労働省のデータによれば、平成26年時点で専業主婦世帯は687万世帯、1114万世帯が共働き世帯と発表されています。数値は昭和55年時点とほぼ逆転、女性の社会進出や雇用形態の変化、少子高齢化など複合的な要因で、共働き世帯の割合は今後も増加していくと推察されます。

 この連載では実際に共働きしている家族を料理・買物・生活という切り口で取り上げ、どんな日常を送っているのかショートエピソード形式で毎週お届けします。

第11話 サービス業勤務の夫・陽一の目線

 サービス業で共働き夫婦の難しいところは、繁忙期が土日のところだ。

 妻も私も、同じ会社の別店舗に勤めている。私の方が勤務先が少し遠いので、娘の保育園へは遅番のときは送りだけ、私のシフトが休みの日は送迎を担当している。

 シフト制の勤務体系のため、夫婦2人で同じ日に休むのも一苦労だ。そして日曜日は、多くの保育園がお休みだ。わが家では、妻が職場に配慮してもらい、日曜に休みをもらっている。

 今のところはこれで何とか「日曜勤務問題」を乗り切っているが、これから2人ともどうしても休めないときには、どうするか悩んでいる。

 ベビーシッターは高い。民間のボランティア価格で預かってもらえる制度もあるが、事前に申請して顔合わせ面談をしなければいけないなど、手続きが使いにくいため利用できていない。インターネットでの預かり募集は安いものもあるが、安全性の面で怖くてまだ足を踏み出せないでいる。

 何より、選択肢を丁寧に比較検討して探す余裕が日常に残っていない。

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 妻が働きに出る日は、朝のお見送りをしてから朝食をあげる。

 メニューは、つかみ食べしやすく切った食パン、ヨーグルトかチーズなどの乳製品、皮をむいた一口サイズの果物。育ちざかりの娘のことを考えて、一応栄養バランスを意識する。

 食べ終えたら後片付けがてら、妻に言われた箇所を掃除する。

 昼食は、パスタやうどんなど簡単にできる麺類を作って一緒に食べ、そのまま一緒に昼寝。至福の時間だ。

 午後は三輪車で近所の公園へ向かい、シャボン玉や滑り台で遊ぶ。

 帰ってからはテレビを見せながら夕飯を作り一緒に食べ、お風呂に入って寝かしつけ。妻がいないときは、寝かしつけもスムーズだ。

「ママじゃなきゃダメ」問題も、解決している。

 昼寝から起きて妻がいないときはママのことを気にすることもあったが、「ママはお仕事でいないんだよ」と説明すると、理解してくれるようになった。

 保育園へお迎えに行くときも、最初は「ママは?ママは?」の声に切なくなったものだが、最近は「パパー!」と駆け寄ってくれるようになった。うれしい、パパの成果だ。

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 残業や飲みの誘いはできる範囲で参加するようにしているが、「はい」と返事をするたびに、妻と子供の顔が頭をよぎり、胸がチクリと痛む。

 異動する人の送別会、新人学生インターンの歓迎会、予算達成記念の祝勝会……ただの「飲み会」はまだ断りやすいが、名目がついたり自分以外のメンバーが全員参加となると、少し気まずくなる。「付き合い」というのは現実にまだある。

 トイレくらいしか1人になれる時間がないなんて、独身の頃は全く想像できなかった。

 職場自体は共働きの家庭が増えてきたことで、理解もある。同じ子育てパパ・ママもいるので、「休むのはお互いさま」という空気が根付いている。

 それでも娘の成長を見守れるのは、本当にうれしい。遠くにお出かけしたこともある。アンパンマンミュージアム、動物園、ファミレス、ビュッフェのランチ。スマホの写真は、いつも笑顔の娘でいっぱいだ。

 2人で過ごすと、父子の絆も深まる気がする。

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>第12話 時間に追われる妻・麻実の目線

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