慢性的な人手不足に悩まされている飲食業界。少人数の無理なオペレーションはスタッフの負担が増え、ES(従業員満足)もCS(顧客満足)も低下してしまう。人材が確保できないために、新規出店を見送るケースも少なくない。今後も状況の好転が見込めない中、セルフ決済機器を効果的に活用して、業務の効率化を図るのも一つの方法だ。そのような考えのもと、券売機・両替機の専門メーカーBOSTEC(ボステック)のスタイリッシュなIoT型決済端末を導入し、新コンセプトのタイファストフード(FF)店の店舗展開に乗り出す外食企業、大アジアレストラン㈱の取り組みをご紹介したい。

 

 大アジアレストランは、しょうゆ、たれ、つゆ、レトルト食品などの製造・販売を手掛ける企業、ヤマモリの外食事業を担うグループ会社だ。タイにも工場や販売拠点を持つヤマモリは、さまざまなタイフードをラインアップしており、日本におけるタイフードのシェアナンバーワン企業でもある。

 その強みを生かし、2017年、浜松町駅前のオフィスビル内に、タイ料理レストラン「プーケットオリエンタル浜松町店」(東京・港区)を出店。次いで、今年3月には、話題の商業施設、東京ミッドタウン日比谷内に「プーケットオリエンタル日比谷店」(東京・中央区)をオープンした。東京の新たなランドマークである同施設は連日多くのお客様でにぎわい、食事どきは飲食店に行列ができる。その中でも「プーケットオリエンタル日比谷店」は1、2を争う人気店で、浜松町店からヘルプスタッフを派遣する状況になった。ここで問題となったのが人材の確保である。

人手不足を背景に,新コンセプトのFF業態「ガパオエクスプレス」を開発

里井伯嘉氏

 「浜松町店の売上げは順調でスタッフも育っており、人材不足なんて他人事だと思っていました。しかし、手薄になった浜松町店に人を補充したくても人が集まらない。外食業界の人手不足問題を実感しました」と、ヤマモリ新規事業開発部兼大アジアレストランリーシングマネージャーの里井伯嘉氏は語る。

 そこで同社は売上げを確保していた浜松町店を一時休業するという思い切った戦略を取った。無理に2店舗の営業を行うより、日比谷店の営業に集中して、最高のサービスと商品を提供するためである。その間、浜松町店は弁当の製造と販売に特化していたが、設備も立地も良いだけにもったいない。次の戦略として打ち出したのが、浜松町店をテスト店舗に、少ない人員でオペレーションが可能なタイ料理のFF業態の開発であった。「人手不足が一層深刻化する中、フロア業務が不要なスマートオペレーションの業態ならば、問題も解決でき、多店舗展開もしやすい」(里井氏)との考えからだ。

 コアメニューは、タイの屋台の定番料理で、日本でも認知度が高まりつつある、「ガパオライス」とし、店名を「ガパオエクスプレス」と命名。グリーンカレーなどもラインアップし、メニューを数品に絞り込んだ。フロア業務だけでなく厨房業務もシンプル化を図り、商品価格を抑えるためである。

「ガパオライス 成田ファーム平飼いプレミアムフライドエッグ スープ付き 」690円(税込)

「本来、タイ料理は安くて、おいしくて、お腹いっぱい食べられる料理です。しかし日本では高価なイメージがついている。タイフードのトップ企業として、洗練された店内でおいしいタイ料理を適正価格で提供することが私たちの使命と考えています」(里井氏)

オペレーション効率化で重視したポイントと採用の決め手

 オペレーションの効率化に欠かせないのがセルフ決済機だ。といっても、昔ながらの食券の券売機ではなく、①フロア業務の効率化が図れること、②デザイン性の高い店舗内装に調和すること、③限られたスペースに設置しやすいスマートサイズであること、が条件であった。里井氏はメーカー各社の商品を調べて2社に絞り込み、じっくり話を聞いて、最終的に選んだのがボステックのセルフ決済シリーズの最新機種「FMC-27VB」である。

望んでいた以上の機能とスタイリッシでコンパクトな本体に加え、「私たちのニーズや思いを理解し、一緒に新業態を作っていこうというボステックの担当者の気概や姿勢に信頼感を高めたことが決め手になりました」と語る。