2016年8月に河北省石家荘税関によって押収された日本から違法輸出された象牙製品。eコマースサイトで購入された(画像提供:WWFジャパン)。

 環境保全団体 WWFジャパンは2018年6月から7月にかけて、インターネットにおける国内象牙取引に関する調査を行った。

 今回の調査では、日本国内の主なEC(ヤフーショッピングや楽天市場などのサイバーモール、ヤフーオークションやモバオクといったオークションサイト、メルカリ、ラクマといったCtoCサイトなど)で象牙の出品件数と事業者を数えた。

 その結果、2017年から象牙取引が禁止となっているメルカリ、楽天では象牙の出品がほぼ0となり、現在はヤフーオークションとヤフーショッピングが主な象牙取引のプラットフォームとなっていることがわかった。

象牙取引のなにが問題?

「象牙」とはアフリカゾウの牙を指す。アフリカゾウは個体数減少によりワシントン条約で保護されており、学術利用などの一部の例外を除き輸出入が禁止されているが、象牙目的での密猟、密輸が後を絶たない。

 日本国内での流通に関しては、全形象牙(象牙そのままの一本)は登録が必要だが、それ以外には規制がなく、国内であれば自由に売買ができる。ただし、2011年~2016年の6年間、日本から違法に輸出された象牙が2.4トン以上押収されており、日本国内の象牙が違法な密輸の仕入れ元となっていることが示唆されている。特にECは、気軽に購入でき匿名性が高いため、違法な象牙取引の温床になりやすい。

 アメリカや中国ではすでに国内の象牙市場が閉鎖され、香港、台湾もそれぞれ2020年、2021年までに取引停止する方針であることをみると、日本もこのままでいいとは言えないだろう。

サイトでの規制は有効だが、目をくぐろうとする出品も

メルカリのサイト内で、象牙の出品を禁止する注意書き(2018年9月13日)。クリックで拡大します。

 2017年の7月に楽天、11月にメルカリが象牙の取引を全面禁止した。

 その結果、楽天では象牙を扱う事業者数が2017年の55店舗から0店舗、メルカリでは出点数が100件からほぼ0件となり、規制は一定の効力を発揮したと言える。

 ただし、商品名を「象牙風」などとして本象牙の商品を出品するなど規制の目をくぐるような出品も調査により確認された。アメリカや中国では市場での取引が禁止された結果、SNSでの売買に流れており、日本でもすでに現れ始めている(Facebook、Twitter、Instagramでは規約違反)。

 今回の調査から、WWFジャパンは企業の自主的な禁止措置は有効であると見て、ヤフージャパンへも象牙の取引禁止措置を求めるとともに、国内の象牙市場に規制をかけるべきとの立場だ。

 しかし、日本は各企業の自主的な判断に任せているのが現状だ。なお、楽天とメルカリに続き、イオンが2020年3月末までに象牙の取り扱いを中止することを発表している。