食品衛生法が改正され、原則、食品関連全事業者にHACCPの導入が義務付けられました。ただし、制度化といっても、認証や承認制度ではありません。

 制度化と認証、承認とはどこが違うのでしょうか。なぜ、認証や承認制度にしなかったのでしょうか。

 厚生労働省は、8月28日に公表した「HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&A」で次のように述べています。

認証、承認制度にならなかった背景

「HACCPに沿った衛生管理は、認証や承認の制度ではありません。事業者の実施状況については、保健所等が、営業許可の更新時や通常の定期立入検査の際に、HACCP7原則の考え方に基づいて、衛生管理計画の作成や実践がなされているか監視指導が行われる仕組みとなります」

 制度化といっても、保健所等の行政が審査をして承認を与えるものでもなければ、有機JAS制度のように指定機関の認証が必須ということでもありません。

 どうして認証や承認制度にしなかったかというと、食中毒などの問題が起きたとき、食中毒を起こした事業者だけでなく、認証機関や承認した行政等も「認証や承認の仕方に問題はなかったのか」「どんなチェックをしていたのか」という責任を追及されるからです。

 これには、今回廃止される「総合衛生管理製造過程承認制度」(注1)に問題があったことも関係しています。平成8年にスタートしたこの制度。その承認工場だった雪印乳業大阪工場が、平成12(2000)年に集団食中毒事件を引き起こしてしまいました。「国が安全だと承認した工場で起きた」ことで、国の承認制度に対する信頼が揺らいでしまったのです。しかも、承認後、一度も立ち入り検査をしていなかった厚労省(保健所)の責任を問う声も上がりました。そうした過去の経験を踏まえ、今回は認証も承認もしない単なる制度化にしているのです。

(注1)総合衛生管理製造過程承認制度:営業者がHACCPの考え方に基づいて自ら設定した食品の製造又は加工の方法及びその衛生管理の方法について、厚生労働大臣が承認基準に適合することを個別に確認するもの。