新業態で今後のビジネスモデルを再構築?

 

 同社は長崎屋を傘下に収めて以来、食品を扱うノウハウを蓄積した結果、非食品を中心に扱うドン・キホーテから新たなビジネスモデルを構築しました。

 それは価格訴求した食品で消費者の来店頻度をアップ。迷路のような店内を回遊してもらい、天井まで届く巨大な商品陳列やカラフルなPOPに出会うことで、思わず発見した非食品も購入。目標とする荒利益率を確保するというものでした。

 しかし、これが通用するには便利さよりも楽しさを求める人口が多い都市圏への出店が不可欠。その立地には限りがあるため、今後も人口減少が続く日本国内の新規出店だけでは同社のビジネスモデルはいずれ機能しなくなるでしょう。

 そこで、同社はアメリカの日系食品小売り企業をグループ傘下にし、シンガポールとタイで店舗や商業施設を展開。以下のような戦術を進めているのです。

・アメリカ日系小売り企業で、地元アメリカ人が支持する日本ブランドの売れ筋や食べ方などの用途を検証する。

・アセアン並びに世界の富裕層が集まるシンガポールで新業態DON DON DONKIを通し、日本発の食のライフスタイルを訴求する。

 このように同社が日本のライフスタイルを提案する理由は、アセアンや世界の人々が焼き魚やしゃぶしゃぶ、おでん、丼、弁当など日常の食を通して日本のライフスタイルに興味を抱いてくれれば、本物の食を日本で体験したい気持ちになり、来日し、ドン・キホーテに足を伸ばすと考えているからでしょう。

 新業態「DON DON DONKI」の狙いは日本のライフスタイルのショーケースとなること。それにより、日本でのドン・キホーテの来店を促せれば、帰国後に訪日時の日本の食体験を思い出す場所としてリピートしてもらえる可能性が生まれる。

 そうして、日本とアセアン両国を行き来する顧客を増やすビジネスモデルを再構築しようと考えているといえるでしょう。