よく考えられているライフスタイル提案の客動線

 DON DON DONKIの客動線は秀逸で、以下のようにつくられています。

(1)地下鉄サマセット駅を使う乗客がコンコースに入ると焼き芋を待つ長い行列が自然に見える。

(2)そこを通り過ぎると“焼き芋BAKED SWEET POTATO衝撃のうまさ!”と書かれた看板とともに、1人2つまで購入可のPOPを掲げたドンキのキャラクター「ドンペン」が目に飛び込んでくる。

(3)その奥には日本語で惣菜、弁当、丼とカラフルなドンキカラーともいえる柿色地に書かれた目立つPOPが目を引き付ける。

(4)このイラストタッチのカツ丼と注釈のMUST TRY(絶対食べて!)の文字で、そのおいしさを連想させることで、通りすがりの人も売場に引き込み、カラフルなPOPが迷路仕立ての店内を一方通行で導いていく。

(5)そこで出会うのは、お値打ち感を意味する「驚き」「価格の限界」「情熱価格」に続き、「日本品質」「日本の旬」「日本企画」「日本の便利」「日本の女子会」「コンセプト オブ ジャパン」「懐かしの駄菓子」という日本をイメージさせるPOPの数々。

 DON DON DONKIは、これらPOPを通じて売場の随所で日本の食文化でPRしているのです。

・日本人はお米好き、だからこのお米を選びました/・私たちの鉄板焼き、おむそば、広島焼き、お好み焼き(種類や材料、料理法の説明)/・生姜焼きとは?(ショウガを使う理由や家庭でよく食べる人気メニューであることを解説)

(6)そして、店内を回りながら、POPを通して日本の食を疑似体験しているシンガポールの消費者に対して、同店はお薦めのキッチン用品を提案するのです。

 DON DON DONKIは、日本の食材を販売すると同時に食文化の背景を来店客に伝えることで、店内の非食品も買いたくなる仕組みを構築。顧客が日本ブランドで全てをそろえたくなる雰囲気を売場演出でつくりあげようとしているのです。