図表① 魚介類缶詰市場の販売金額の推移(データソース:SRI / 期間:2016年1月~2018年6月 / ベース:金額 / ※種類別:上位5カテゴリー)

テレビ情報番組で話題となり、伸長を続ける

「日本人の魚離れ」が叫ばれて久しいが、2017年秋放映のテレビ情報番組で「サバ缶」が取り上げられたことを機に、魚介類缶詰市場が活況を呈している。その栄養価の高さとおいしさ、健康や美容への効果に注目が集まり、サバ缶の好調が魚介類缶詰市場を拡大させている。

 これまで、魚介類缶詰市場は長期にわたって「マグロ油漬け缶(いわゆるツナ缶)」がけん引し、不動のトップカテゴリーであった。しかし、テレビ情報番組で話題となった2017年秋から「サバ缶」が伸長すると、同年12月には、ついに「サバ缶」が「マグロ油漬け缶」を追い越した(インテージ全国小売店パネル調査〈SRI〉調べ)。サバ缶の伸長は一過性のブームに留まらず、その後も前年比2桁伸長で推移し、市場の成長が続いている。 

健康志向の高いシニア層だけでなく、全世代へ広がる

 インテージ全国消費者パネル調査〈SCI〉によると、魚介類缶詰のユーザーは、女性40~60代が50%以上を占めるが、サバ缶のユーザーを見ると、イワシ缶・サンマ缶と同様に特に男女ともに60代のユーザーが多い(図表②)。

 サバ缶をはじめ青魚缶に非常に多く含まれるDHA・EPAは、血行の流れをよくして動脈硬化を防いだり、肌の新陳代謝を促進したりする効果があるといわれている。これらの点で、サバ缶などの青魚缶は、まさに健康意識の高いシニア世代のニーズに合致している。

図表② 魚介類缶詰市場の性年代別構成比(データソース:SCI / 期間:2017年7月~2018年6月 / ベース:金額 / ※魚介類缶詰市場トータルと上位5カテゴリー)

 しかし、サバ缶の伸びをけん引しているのはシニア層のみではない。2016年7月~2018年6月までの購入率の推移を確認すると、前年と比較して全ての世代で購入率が増加している(図表③)。サバ缶はシニア層以外の世代でも2.5ポイント以上購入率が増加しており、同様のユーザー層を持つイワシ缶と比較してもシニア層以外の世代への広がり方に違いが見られる。これらのことから、サバ缶は、健康志向の高いシニア層だけでなく、ヤング・ミドル層へも普及し成長を続けていることが見て取れる。

図表③ サバ缶・イワシ缶の年代別購入率の推移(データソース:SCI / 期間:前年:2016年7月~2017年6月、当年:2017年7月~2018年6月 / ベース:金額)