ローソンの竹増貞信社長(右)とローソン銀行の山下雅史社長(東京都港区)

 ローソンの子会社、ローソン銀行が10日に開業、10月15日からサービスを開始する。①消費者、②ローソン加盟店と周囲の商店、③地域金融機関――を顧客と設定。当初は「ATM事業」と消費者や加盟店に向けた預金やインターネットバンキングサービスを提供する「リテール事業」から取り組み、数年以内をめどに新たな決済手段や資産形成を支援する商品、生活に必要な金融サービスを提供する。まず来年1月に個人客向けに独自のクレジットカードを発行する。同時にローソン加盟店を対象にした売上げ入金サービスや給与振り込みサービスも始める。3年以内に単年度黒字に転換し、実人数で500万人の利用客を目指す。

 ローソンの竹増貞信社長とローソン銀行の山下雅史社長が10日、都内で記者会見して明らかにした。

キャッシュレス決済を進め、PFビジネスを展開

 ローソンの竹増社長は「日本のキャッシュレス決済は現在約20%。政府が2025年に目標として掲げる40%を目指すタイミングでローソン銀行は開業できた」と語り、01年に銀行業に参入したセブン&アイや07年のイオンに比べて遅れた参入について「最後発だから軽い体で金融界に入っていける。いろんな決済手法を開発したい」と後発の強みを生かし、キャッシュレス決済への取り組みを最優先課題とすると話した。

 ローソン銀行は全国に約1万3000台あるATMによって既に収益化されたATM事業を引き継ぎ、これを収益基盤に銀行事業の新領域に挑戦する。ATM事業は現在、年間延べ2億人以上のお客が利用しており、90を超える金融機関と提携している。

 同社のビジネスモデルは①預金、クレジットカード、インターネットバンキング、キャッシュレス決済などの「リテール向けビジネス」、②売上げ入金、給与の前払い、低コスト決済サービスなどの「小売り事業者向けサービス」、③共同ATM、ATM運営の受託・代替、共同店舗運営、新たな販売チャネルの提供、地方と都市の連携などの「地域金融機関向けサービス」――の3つの柱を想定する。

 キャッシュレス決済への取り組みは、ATMの事業基盤を通じて提携金融機関とともにお客がシームレスに利用できる仕組みの導入を検討。同決済以外では、買物の際のおつりをためるおつり預金などのサービスの提供を検討。また地域金融機関の支店内外のATMをローソン銀行のATMで補完・代替し、提携する地域金融機関のコスト削減や商品提供チャネルの拡大に取り組む。これらを通じ、数年内にお客、提携金融機関、ローソンなどの店舗がつながる新しい金融のコミュニティを構築するプラットフォーム(PF)ビジネス展開を目指す。

 ローソン銀行の山下社長は「ローソンの店舗の一部を特定の時間だけ出張所として使ってもらうこともできる。相談コーナーや手続きのコーナーを設ければ、地域の金融機関のコスト削減になる」として、今後のキャッシュレス社会の到来をにらんで減り続ける銀行の店舗の機能を一部肩代わりするとともに、サービス時間帯を広げることで同社の収入の増加を見込んでいることを明らかにした。