早期販売は鈴木敏文氏の戦略だった

 

 おでんの販売数は基本的には来店客数と比例する場合も多いことから、中・低日販店では販売に苦戦する場合が多いようだ。そのため、「暑い時期からなぜ」とおでんの早期展開に懐疑的なオーナーも多く、コンビニ本部との方針のギャップが生じている。

 コンビニ業界でのこうした早期展開は、鈴木敏文氏(セブン‐イレブン・ジャパン元会長)の『固定概念にとらわれないお客さまの新しいニーズを掘り起こす、いち早くお客さまに展開を認知させることにより、シーズンピーク時の販売の山を最大限にもっていく』という考えで始まったといわれている。この“シーズン商品の先取り展開”は1990年代前半から始まり、おでんについても、他社コンビニも追随したといわれている。

 大手コンビニでは、おでんの展開が店舗指導員やエリア統括マネージャーの人事評価に影響を与える項目になっているケースもあるため、ギャップがありながらも展開が9月上旬には、ほぼほぼスタートされるという側面もある。

おでんの損益分岐点は1日100個

 おでんの展開をネガティブに考えるオーナーが多いのは、1日 100個以上の販売がないと利益が出ない場合が多いといわれているからだ。

 おでんは、50%強と高荒利益商材ではあるものの、仕込み数による廃棄の読みが難しく、容器代やお箸、からしやみそ、電気代、本部チャージなど関わるコストを換算するとなかなか経営的にはシビアなカテゴリーとなる。

 そして、何といっても人件費とそれに関わる作業の費用対効果の問題も大きい。

 (他の業務とのながら作業ではあるが)おでんの仕込みと清掃などには1時間半から2時間の手間がかかるのも、人手不足や業務過多のコンビニ店舗においては展開に二の足を踏む理由になったりしている。