注目はカウンターの「出来たて」と冷凍の「ストック」

冷凍食品は、従来は平置き(平ケース)と扉1枚の構成だったが、新レイアウトでは平置きをなくし、扉4枚になった。展開スペースは約2倍になり、アイテム数も従来は50アイテム前後だったものが、80アイテム前後に増えている。なお、アイスに関しては従来どおり平タイプのケースでの展開。
冷凍食品の売場を冷蔵オープンケースに隣接させている。結果として冷蔵の惣菜、青果、日配の商品から壁面に沿って続く流れができた。

 新レイアウト店舗のカテゴリー配置が、発表時のものと町田小山町店で変わっている部分は、雑誌の他にもある。冷凍食品を窓際からオープン多段ケースの隣へと移動しているのである。

 冷凍食品は、新レイアウトを採用する上で力を入れるカテゴリーの筆頭に挙げられる。今年7月にセブン‐イレブンで商品本部の組織変更があって、冷凍食品をカウンターファスト・フード(FF)と同じ部署にした。

 カウンターFFの多くは冷凍で店舗に納入し、店内で揚げるなどの加工を施して販売している。コンビニでは以前から即食性の高い商材として重視してきたが、昨今では家庭に持ち帰っても冷めない距離にあると、家庭向け商材の開発にも力を入れていた。

 冷凍食品をカウンターFFと同じ部署で開発するのは、一方は店内で「出来たて」、一方は家庭で「ストック」できる商品として提供していこうということであろう。

 扱いアイテム数も当然に増えよう。セブン‐イレブンの店頭アイテム数は、他のコンビニと比べても絞り込まれてきた。いったんは2500アイテムまで絞ったが、現状は2900アイテム程度で、新レイアウトを採用した店舗面積199m2のタイプも同様のアイテム数の展開だ。

 一方で、町田小山町店のような大型店の場合、3300アイテムまで増やすことを見込んでいる(現状、検証中のため、この数にはなっていない)。商品本部の組織変更によって、開発の進むカテゴリーを中心に今後もアイテム増が見込まれる。

生鮮の展開は、カット野菜を含む青果の一部商品に限られる。面積を拡大しつつも、生鮮の展開には慎重な姿勢といえる。

 同時に、冷凍食品の売場をオープンケースに隣接させたことで、チルドで展開する惣菜や日配、青果との買い合わせも提案しやすくなる。出来たてからストックまで、新レイアウトの採用と店舗規模の拡大によって、客層や利用シーンを広げていこうというのだ。

 町田小山町店では、従来タイプより50代以上の女性客の来店頻度が高くなっているようで、既に新レイアウトの効果が表れ始めている。

 とはいえ、SMのように利用されるには、買上品目数を増やす方向で客単価アップを図っていく必要がある。これまでのコンビニが得意としてきた単品アイテムの集積ではなく、商品やカテゴリー間の関連を重視した売場づくりが欠かせない。

 新レイアウトの店舗では、そうした試行錯誤が続いているが、それも時間の問題だろう。コンビニがSMのノウハウを手に入れてしまう前に、SMはさらに進化すべく対策を講じなければならない。

※本記事は『食品商業』2017年10月号に掲載されたものです。内容は取材当時のものです。