米国にあって日本にないオフプライスストア 

 わが国でも三井の13施設、三菱地所・サイモンの9施設を中心にアウトレットモールは38カ所(実質稼働33カ所)あって8000億円ほどの市場があるが、立地も商品供給にも限りがあって拡大が鈍く、既存店舗もアウトレット用に企画した商品やオンシーズン品を投入して品揃えを確保しているのが実情だ。

 衣料品は需要に倍する供給で過半が売れ残っているのに、国内のアウトレットモールに供給されるのは一部で、大半は中古衣料や繊維原料として捨て値で海外に輸出されている。ブランド側が正価流通の破綻を恐れて国内市場への放出を避けているためと推察されるが、米国ではブランドネームを付けたまま大量に放出され、5兆円を超えるオフプライス市場を形成している。

 ブランド側もオフプライス流通を容認した販売戦略を採っていることもあるが、オフプライスショーなど売れ残り品やキャンセル品を再流通するB2B市場とOPS(オフプライスストア)という千店規模のチェーン(上位4社計6564店)が存在するからだ。アウトレットは自社商品の処分販売、オフプライスは放出商品の仕入れ販売と定義されるが、米国の373カ所もあるアウトレットモールの多くはOPSを入れないと成り立たない。わが国にはほとんどないとされるが、ローカルのホームセンターやしまむらの一部商材、フルラインではドン・キホーテが近いのではないか。

 

 米国のオフプライス市場規模は金額ベースで16%、数量ベースでは30%を超えて拡大しており、「スレッドアップ」など2兆円といわれるリセールサイト市場まで加えれば衣料・服飾流通の過半に迫る。わが国とてリセール市場の拡大にオフプライスまで加われば、遠からずそれに迫るのかもしれない。リユースやサブスクリプションに抵抗のない人が増え、米国型のオフプライスストアまで台頭すれば、アパレル流通は一体どうなるのだろうか。