東京・日本橋、小伝馬町駅近くの路地裏にダリア食堂があります。ここはモロッコ料理の専門店で、オシャレで居心地の良いお店です。その雰囲気を醸し出しているのが店主の佐々木さんと看板猫のまるです。

 まる(6歳)は店内でどーんと構えています。体重5.6キロの圧倒的な存在感からでしょうか。お客さまがいてもお気に入りの席を譲らない。猫に大喜びする子供が来れば「めんどくさい」とばかりに上の階に逃げ出す、万事が自分のペース。まるにとってダリア食堂は自分の好きなように振る舞える場なのです。

おちょこの内部に手描きのねこ。お客さまの作品。

 確かにここでは、席でじっとしているのはもったいない。まるに倣って自分の好きなように過ごした方が良さそうです。店内のあちこちにある可愛い雑貨は、見たことのないものだらけ。猫モチーフの器や模型はお客さんが持ち寄った物もあり、販売もしています。お店に人や物が集まっているのが分かります。それは、大らかな印象の店主、佐々木さんの人柄によるところでしょう。実はまるもそんな店主に引き寄せられて? やってきた一人。

 まるは店の近くで保護した迷い猫。風貌や人慣れした様子から飼い猫と判明しましたが、結局、飼い主とは連絡が取れず。2歳だったまるをそのまま引き取ることになりました。とはいえ、実は猫を飼ったことのない佐々木さん。実家で飼っていたのは犬なので勝手が分かりません。

 そんな彼女をサポートしてくれたのが、ご近所さんたち。小伝馬町は無機質なビルが並ぶオフィス街にしか見えませんが、実は下町人情あふれる街。お祭りの時期はダリア食堂前も地元の人たちで大賑わいだそうです。

 そんなわけで、まるにオヤツをくれたり、遊び相手になってくれたり、シャワーや爪切りのお手入れをしてくれたり。なにかと面倒を見てくれます。いえいえ、みんな、まるに構いたくてしょうがないのでしょう。すっかり地域のアイドルになっています。

インテリアの一つのように店内におさまっています。

 佐々木さんは、以前フレンチの店に勤めていましたが、メニューの中にあるモロッコの要素に興味を持ち、数回にわたるホームステイでモロッコの家庭料理を習得しました。ダリア食堂の場所はエスニックなクラフト品を扱う雑貨店でしたが、縁あって、飲食店として新たにオープンすることに。それが10年前のこと。その7年後にまるは店にやってきたわけです。

 飲食店に猫がいることの苦労がなかったわけではありません。当初、予約や来店するお客さまに確認して、一人でも猫はイヤと言えば、まるを2階の事務所に入れておくようにしていました。ですが最近、看板猫の知名度が上がったからでしょうか? めったに2階の事務所に押し込むことはないようです。

 本格派なのに日本人の口に合うモロッコ料理で、おいしいと評判のダリア食堂。普段は赤いソファーの上でおとなしくしているまるに会いにいきませんか。 

お店の主(ぬし)のような貫禄。なでられるのはOKだが、抱っこされるのは嫌いな「まる」。
ポカポカ日が当たる、赤いソファーはお気に入りの場所。
耳のカタチが、「長谷川りん二郎」の有名な猫画に似ている。
店長の佐々木さん。「猫ってこうなんだ」と日々発見があるそう。
筆者の持参した猫じゃらしでスイッチが入ってしまい、じゃれまくる。
いろいろな発見が楽しい個性的なインテリア。インスタ映えしますね。
靴を脱いで上がるモロッコ風インテリアの中2階は手づくりです。
この籐籠ケースで佐々木さんと一緒に自宅から通勤。体重5.6キロなので自転車の荷台にくくりつけます。
モロッコのご当地ビール「カサブランカ」。さっぱりとしておいしい。
完璧な垂れ耳ではありませんが、スコティッシュフォールド種です。
ぶどう園のフランス人オーナーが現地モロッコで生産するワインもあります。
フロア担当の石井さんは、「まる」の最強の遊び相手。
ランチは火・水曜日営業。煮込み料理のタジン鍋が人気。

 

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    DALIA食堂
    住所/東京都中央区日本橋大伝馬町2-9
    電話/03-3663-3021
    営業時間/火・水曜日 ランチ12時~14時 ディナー18時~22時
     木・金・土曜日 15時~22時 (ラストオーダー21時)
    *テーブル数が限られておりますので、ディナータイムはご来店前にご予約をお願いいたします。
    定休日/日曜・月曜・祝日